第19話
ボッチオブボッチからの脱却なんて俺は一切望んでいない。
人付き合いなんて、一人の時間をなくす面倒な行為だ。
「別にみんなといるのが嫌いなわけじゃない。
それよりも一人でいるときのほうがいいと感じるだけだ。」
「それを陰キャと言わずしてなんというのよ。」
「独身貴族?」
独身貴族って呼べるほど金もないが。
異世界では立派な独身貴族だったけどね。
「あなたねえ、そのままじゃあ一生童貞のままよ。」
「ジョ、ジョジョ子が童貞丸出しなんて言っちゃいけません。」
「性差別!
セクハラ!
ジェンダーレス社会を否定するな!」
「都合のいい時だけジェンダーレス社会を主張するな!」
「なによ、私たちは都合のいい時だけセクハラとか言っているっていうの?」
そうじゃね。
だから冤罪なんて言われてるし。
美人局なんているんでしょう。
どれだけ女性が法律で守られてきたことか。
襲われてきた歴史があるからこそ国が一丸となって法を整備したのに、性差を無くせ。
それはいいでしょう。
なら罪の主観も平等にすべきなのです。
「政治家っぽいこと考えているわね。
声に出してないけど私たちにはバレバレよ。」
そんなに顔に出てるっていうよりも、人狼の特殊能力っていうことでしょうか。
人狼とは神聖なる戦士としての意味合いが強いが宗教改革によって悪魔の化身にされた。
悪魔の全記述によると言葉を読み人とは思えない異形になるという点が共通してあげられる。
心を読み解くのを防ぐには十戒であったり、悟りを守ることで阻止できると言われている。
まあ、心が読まれているからと言って戦闘の面では思考の速度次第では意味を成さないし、どうでもいいことだけど。
勉強に使えばカンニングし放題では?
「勉強は使ったことが無いわよ。
そんなことしたら自分の思考能力が落ちるじゃない。」
あらら、何で俺に使うのかな?
「あなた、基本黙ってばかりで考えていることが分からなかったから、読んでおく必要があったのよ。
雄馬にあった人たちで変化が起きていないか確かめるためにね。」
プライバシーもあったものじゃないな。
「黙ったままにしないでよ。
こっちも心を読むのは疲れるの。
普段聞きたくもない声も聴いてしまうから、開いたら聞き分けないといけないし。
分けて聞くのって結構神経使うのよ。」
これだよこれ、他人のために気づかいしないといけないとかホント面倒。
陽キャだからと言って譲歩し合って当然って精神が納得いかないのが陰キャというモノさ。
世の陽キャども、貴様らのせいで公共交通機関で暗黙の了解を守れないやつらが増えていくことを忘れる出ないぞ。
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