第18話

★◇◇◇◇◇◇◇◇

「ふい~。」


今朝方、なぜか監視の任を解かれたはずのルルさんが登校時に遭遇しながらも一緒に登校することにした。


「なんだか眠そうね。」


学校一の美少女と一緒に登校だなんて、俺みたいなモブだと妬まれるんだろうね。

筋肉ムキムキゴリマッチョって時点でモブにしては濃すぎるけど。

異世界だったらモブだな。


「身体は起きてるんだけど、頭は眠いんだよ。」


「何それ。

 変な夢でも見たの?」


うん、変な夢は見たわ。

淫魔で大学ミスコングランプリの人に勉強教えられる夢。


淫魔って言っても、恥ずかしがり屋で純情で、乙女チックな人だったね。

隠れオタクみたいな人かな。

人の部屋に勝手に忍び込むいぬっころよりも美人な人だからなあ。


「ふん!」


カバンをもってフルスイング!

弁当などの食料品が入っていればその中身はぐちゃぐちゃになることが必須の学生カバンフルスイング。

果たして一時の怒りを満たすのに見合った対価なのかは不明。


「ルルさんって学食派だったっけ?」


「以前はお弁当を持ってきていたわよ。

 しばらくは監視の任が無いから、学食の温かいご飯が食べれるってわけ。

 そして何で避けるのよ!」


「だってその中から鉄板っぽい音がするから逃げた方が良いかと思って。」


「そうよ不良やめんどくさいナンパ撃退アイテムのためにカバンに鉄板とスタンガンを仕込んでるわ。

 しかも海外仕様の超強力な奴をね(違法です)」


そっちが不良じゃねってツッコみが入りそうな装備に危険を感じた俺がすべきことは一つ。


「あの離れて歩いてもらっていいですか。」


「何でよ。

 あなた、私よりも強いでしょう。」


「いやいや、わたしなんかよりも女性の方が強いですって。

 ジェンダーレスとか言わないでくださいよ。

 霊長類の社会性的に言えば女性は長の次に強い部類なんですから。」


「わたしとそんなにお話ししたい?」


滅相も無い。

てか逃げたい。

避けたい。

平凡な日常に戻りたい。

高望みするなら、株とか宝くじ当てて一生遊んで暮らしたい。


「雄馬よりも厄介ね。」


「雄馬の奴は、監視に文句言ってなかったもんな。

 俺はヤダ。

 元々一般人かつ文芸部のボッチオブボッチだぞ、孤独を好む高校生において俺の右に出る者はいなかった過去を持つ男に監視するようなことされたら逃げたいと思うのが普通なんだよ。」


それ以外にも、美人局や暴力を振るうためのアクセサリーとして目を付けられていると考えるのがボッチオブボッチの能力(嘘)。


「なら私があんたをボッチオブボッチから強制脱出させてあげるわよ。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る