ヤンデレストーカー少女の重愛に刺殺され、17歳という若さで命を落とした潔啓太は、死後の世界で“恋愛の神”から衝撃の事実を伝えられる。愛は最悪な末路へ進み行こうとしていた啓太を、そのストーキング行為によって救い続けてきたのだと。……刺殺はあくまでイレギュラー。それを知った啓太は愛への「反撃」を誓い、事件の前日に蘇る。
ストーカーと忌み嫌ってきた愛さんに命の恩を返す。そう決めた啓太くんはアプローチを開始します。ただ、とにかく噛み合わないのですよね。まあ、愛さんからすれば昨日まで嫌われていたはずの思い人に突然やさしくされたらとまどって当然です。ましてや相手からの見返りを求めない、愛を捧げるだけがすべてのヤンデレさんですし。
でも、そんな愛さんと真っ向から向き合い、啓太くんは踏み込んでいきます。追われるのでなく、反撃——すなわちまっすぐ追うからこそ見えてくる愛さんのかわいらしさやけなげさは、すばらしいとしか言い様がありません。
最悪から始まる最高のラブコメディ、更新が待ち遠しい一作です。
(「楽しもうぜ恋!」4選/文=高橋 剛)