第67話 お前って……何者!?
「ロビンさんあそこに魔力の湖ってものがあります。 魔力溜まりって言うんですかね?」
俺は魔力溜まりがあるところへ指を差すとロビンはその場で動きを止めた。
「ウォーレンそれは本当か?」
俺は頷くとロビンは少し考えていた。
「原因は分かったけど魔力がなくなるまで魔物を倒すしか――」
「あっ、俺の鑑定では魔力溜まりは異世界の遺物が原因らしいのでそれを取り除けば問題が解決するらしいです」
俺は鑑定で見た結果をそのままロビンに伝えると彼は口を開けてポカーンとしていた。
「ロビンさん……これがウォーレンなんです」
エヴァンはなぜかロビンの肩を叩くと子供達も含めて他の人も頷いていた。
ロビンの話では魔力があるところに魔物が生息しているが、稀にその魔力が多くなって魔物が進化することがあるらしい。
それが今回魔虫の森で起きていると現象だが、その原因まで分かるとは思ってもいなかったらしい。
「ここからは魔物が強くなる可能性がある。 俺がそこまで誘導するからお前達は後ろからついて来い」
ロビンを先頭に魔力の湖に向かって俺達は急足で向かった。ロビンは敵を倒しながら俺達よりかなり前を移動しているがついて行ける気がしなかった。
俺は寂しく魔物から魔石を回収しながら移動しているけどな。
そしてロビンが言っていた通り魔力の湖に近づくて、魔物達の大きさも倍ぐらいになり魔石も一回り以上大きいのが取れるようになっていた。
そんな魔物も一瞬に倒してしまうロビンは本当に勇者なんだと実感した。
♢
俺達はロビンからかなり遅れて魔力の湖に着いた。魔物自体はロビンが先に処理をしていて湖の周りには魔物の死骸が溢れていた。
「おおお! 大きな湖だな!」
「にいちゃ、遊びに行ったらダメだよ?」
「くくく、ウォーレンが心配されてるよ」
ロンは川で遊んでいた俺を思ってなのか湖で遊ばないように注意していた。少し気分が良くなっていたのは隠せなかったようだ。
「ウォーレン! お前の変わった鑑定で異世界の遺物を探すことは可能か?」
「ちょっと近づいてみます」
俺は鑑定を発動させて湖に近づくことにした。
「お兄ちゃんわかってるよね?」
今度はニアが念を押すようにもう一度言ってきた。
「ああ、これが終わったら遊ぼうな」
俺はニアの頭を優しく撫でた。きっと子供達も湖で遊びたいだろうしな。
「ウォーレンさん絶対何か勘違いしていますよね?」
「お兄ちゃんはいつもああいう人なので……」
プリシラとニアは何かを話していたが、俺は湖に集中して聞こえてなかった。
俺は湖に近づくが鑑定の効果は変わらなかった。むしろ湖には俺のステータスが見えていた。
「んっ……なんだこれは?」
俺は鑑定に気が取られていると中かが近づいているのが気づかなかった。
「にいちゃ、危ない!」
「お兄ちゃん逃げて!」
気づいた頃には何か鎌みたいなものが水中から出てきて俺は湖の中に吸い込まれるように連れて行かれた。
俺は目を開けるとそこには大きな虫型の魔物がいた。
《ステータス》
[名前] 魔水昆虫王ギタガメ
[種族] 魔物
[能力値] 力A/A 魔力E/E 速度A/A
[スキル] 暴食
[状態] 空腹
動こうとしても鎌のような前脚に掴まれた俺は身動きが取れず、目の前にいる魔物は大きく尖った口を俺に突き刺そうとしていた。
湖の中に入ったからなのか俺の頭はどこか冷静になっていた。
こいつの顔がめちゃくちゃ気持ち悪いのだ。本当に見た目がなんとも言えないのだ。突き刺そうとしている尖った口もなぜか俺の唇を狙っているのだ。
「んっんっんんん」
俺は必死に顔を逸らして敵の攻撃を回避するのだった。
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