第10話 伝説の女!?〜転校先は不良(ヤンキー)校!?

グイッ

誰かが私の手を掴む。



「きゃあっ!」



壁に押さえつけられた。




「女捕獲ーー」


「は、離してっ!」



「野郎2人も捕獲ーー」


「俺達を甘くみないでねーー」




私達は捕まってしまい、元の場所に戻された。





「…………………」




「優ちゃん、甘い、甘い。俺達が簡単に逃すわけないじゃーーん」



「……………」



「つーか…仲間いる事、考えた?優ちゃん。3人、まとめて縄で縛りな!待て!女は、こっちに渡せ!」



「………………」



「なあ、優ちゃん。交換条件しね?」

「…交換条件!?」




「お前が仲間に入ってくれたら彼女解放してやるよ」



「…………………」



「だけど入らねーなら…女を抱いて、みんなの相手してもらおうかな?」


「てめーら汚ねーぞ!」


「そんなん反則やろ!?」




「………………」




「さあ、優人、どうする?」



「………………」



「…こんなそそる格好されてたんじゃ、抱かねーのはもったいねーなぁー」


「しかも可愛いお顔のオマケ付きだぜ?そそるなぁー…か・の・じょ」



「………………」



「なあ、優人。この子、俺のモノにして良い?つーか…マジ食べちゃいたいんだけど?」



顎を掴まれる。




「………………」



キスするギリギリ寸前の所までの至近距離で止まる。

その直後、首筋に唇が這う。




「…や…」



「…可愛いーー。マジヤベー。やっぱ撤回!我慢出来ねー!おいっ!優人を押さえろ!」


「なっ!は、離せっ!」と、優人。



私は優人の声を背中に、私は連れて行かれる。



「や、やだっ!離してっ!優人っ!」

「希美っ!」




「こんなの見てられっかよ…」

「…反則ばっかしやがって…酷(むご)過ぎるやろ…」




ドサッ


「優しくしてやるよ。棚峅希美さん」

「い、いやああっ!」



ドカッ

私は股間を蹴った。




「…私の事…その辺の女と一緒にすんなっ!」



私は逃げる。




「…希美…?」

「…希美…ちゃん?」


「おいっ!女を捕まえろ!」

「誰が捕まるかっつーの!」



ドカッ ドカッ

押さえられそうな所を相手を蹴っ飛ばす。




「…希美…が…キレた?」

「…優ちゃんと…変わらへんのと…ちゃうか?」


「…なあ…まさか…伝説の女って…この事なんじゃ…」

「…そういや…あったな…」



私は一気に手当り次第、遅いかかってくる相手を倒していく。



「…強…」

「アイツもアイツで、キレたらヤベーな…」


「お前ら何してやがる!」

「いや、了さん、アレはヤバいっすよ!」

「あの女、タダ者じゃないですって!」



「…伝説の女って…知ってる〜?」


「あ?」

「どういう事だ?」


「見た目とは違う、ギャップのある女の子。今、目の前で起きてる…そのままって事でしょう?」



「………………」



「あーあ、だったら一気にヤれば良かったかなーー?ショックで動けなかったのになー。遠慮無しで攻めようかな?」



そして――――



「棚峅希美さん」



グイッ



「えっ?」



ドサッ



「これで大人しくするでしょ?」




押さえつけられ私の上に股がった。



「前おきなしで一気にヤるよ」

「えっ…?」


「普通の子と思ってたからさー、油断してたし!まさか…ここまでやるとはねぇー。暴れられた以上、そのお返しに体で返してもらおかな?」



《…嘘…》



「大人しくしてれば良かったにねー。棚峅希美さん」



「………………」



「もう逃げられないぜ?」



手が下半身に伸びる。





次の瞬間―――――



「…って…」


「良い加減に…してくれませんか〜!?南波 了さん!!」



南波了を私から思い切り引き離した。



《…優人…》



「野郎っ!」



襲いかかる相手を蹴っ飛ばす。



「…うっ…!」


「これ以上…彼女を巻き込んで傷付けると…俺…マジ許さないですから!」


「ゴチャゴチャとうるせーんだよ!!」



襲いかかってくる、また、別の相手を蹴っ飛ばす。




「…ぐはっ!」


「野郎…マジムカつく!」




キラリと光るモノが見えた。



「優人っ!ナイフ…」



そう言った私の元へと来ては、ナイフを突き付けた。



「………………」



「彼女、怪我するけど良いのか?南波さんを離しな!」



「………………」



「…優人…私は良いから…そいつ倒しなよ!」



そう言う私に優人は南波さんを離す。




「…優人…」


「好きな女、傷付けられる位なら…死んだ方がマシだし〜」



私は首を何度も左右に振る。



「優人が死んじゃったら約束守れなくなるじゃん!」

「…希美…」

「死んじゃったら…私…」




ドカッ


私は相手を肘鉄で押し離す。



「…うっ…!」


そして迷う事なく優人の元に駆け寄ると抱きついた。



「優人っ!…お願い…私の前からいなくならないで…」

「…希美…」

「好きな人…失うなんて…そんなの…」



「恋愛ごっこの遊びに付き合ってられねーんだけど…おいっ!纏(まと)めて殺(や)っちまいな!二人仲良く天国でも地獄でも逝って末永くお幸せに。殺(や)れ!」


「二人纏めて死ねーーーーっ!!」




私達の元へナイフ男が走ってくる。



「優人っ!希美っ!」



グイッと私を抱きかかえるように優人はすると私達は地べたに転がると私を立たせ私達は逃げる。




「チョロチョロしやがって!!」



そして壁際まで来ると、相手はチャンスだ! という表情をした。



「………………」



相手はニヤリと笑みを見せる。




「死ねーーーーっ!」



私達は二手に分かれ、ほぼ同時に相手を蹴っ飛ばす。




「…うっ!ぐはっ!」



そして手元から離れたナイフを拾い上げる。




「希美っ!ナイフ持って、蒼ちゃんと、勇ちゃんの縄切って!」


「分かった!」




私は優人に言われた通り、二人の元へ――――



そして縄を切る。





「サンキュー」

「おおきに」




そして気付けば南波了は逃げ去ったのか姿がなかった。




「…アイツは?」

「逃げたと思うよ〜?」

「…逃したのは痛いな…」


「まあ、みんなが無事なら良いよ。あ…でも…一人だけ危険な目に遭ったか…」


「えっ?」



3人が私を見る。




「希美…その格好…目のやり場ねーし…」



顔を赤くしつつも目をそらす蒼介。



「えっ…?あー…セクシーでしょ!?」



モデルになった気分にポーズをとってみる。




「あんなー…恥じらいを見せなあかんやろ…?」



苦笑しも呆れつつも言う勇真君。



「取り敢えず、ここを出ようか~?」


「そうだな」




「希美、その格好じゃみんなから注目されるだけだから背中に乗って!」


「えっ?い、良いよ」

「希美、優人の言う通りにしとけ!」

「そんな格好で街歩いたらアカン!」



「………………」



私は優人の背中に乗る。



そして隠すように蒼介が、自分の洋服を羽織らせた。




「…ありがとう…」

「別に…」



そう言う、蒼介は顔が赤いようにも見えた。


私達は街中を何事もなかったように、いつものように帰るのだった。


その後、すぐに南波了は自ら出頭した事を聞いた。




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