第7話 手繋ぎフレンドデート?〜転校先は不良(ヤンキー)校!?

ある日の休日、私は、街に出掛ける。


久しぶりの一人のショッピングだ。


友達とショッピングも良いけど、今の環境に女友達呼び出して、ショッピングなんて出来る感じではない。



「どれ位ぶりだろう?」




そして、ショッピングを楽しむものの――――



「ちょっと買い過ぎたかな?」



両手に荷物を持ち、街中を歩く。



「一先ず、一回帰ろうかな?こんな荷物持って歩けないし…」




私が、帰ろうとしたその時だ。




「棚峅ちゃん」


名字を呼ばれ振り向く。



「わっ!木戸君!」

「…お前…何やねん!その荷物」

「いや…ちょっと…」

「家出してきたん?」

「いやいや、してないし!」



「嘘やし!ちゅーか、家出してきたなら警察(さつ)にお世話になってるわな?」


「そうだよ。それより、今日は一人なんだね?」

「ああ。せやけど、さっきまで一緒におったで!」

「さっきまで…喧嘩でもした?」

「してへんは!アホッ!」



「アホは、余計」

「ええやん。気にすな!」


「気にするし!まあ。いいや。それじや、私は荷物多いから一回帰るね」


「持とか?」

「えっ?ううん、大丈夫!私の荷物だし」

「ええよ。持つわ」



スッと荷物を持ってくれる。



「棚峅ちゃん、ちょっと…片手ええか?」

「えっ?あ、うん…」




スッと握る。



トクン…

胸の奥が小さくノックする。




「何だ…男いんのかよ…」



そういう声が聞こえた。




「……………」



「…ありがとう…ねえ…もしかして…気付いてた感じ?」


「何が?」

「…いや…」

「…気付いてたで」

「…やっぱりそうか…」



「ちゅーかな、これだけの荷物持ってるんやし、手伝うわ。言うて近付く男いてるんやから気ぃ付けや」


「その時は倒す!」

「アホッ!辞めとき!」

「何でよ?」

「何かあった時が遅いねんぞ!」

「…それは…分かってるけど…」



私達は色々と話をしながら近くまで送ってもらう予定だったんだけど、家まで送ってくれた。


その後、私達は再び街に出た。




「休日だから、やっぱりカップル多いね」

「そりゃそうやろ?」

「私達も、そう見られてるのかな?」

「見られてんのとちゃう?」

「えー、そうかな?だってカップルって手繋いでいるから」




スッと私の手を握ると指を絡める。


ドキッ


突然の事に大きく胸が跳ねた。




「こんなして、恋人繋ぎしてるんやろ?」

「わゎ…ちょ…」

「顔赤いで」

「いきなり、こんな事してくるから!」



笑う木戸君。



「お前、本当、おもろいな!優人が、からかいたくなるの分かるわ!」


「人をおもちゃにするな!」



そして、繋いだ手をパッと離す木戸君。



「あっ…」


「何やねん」


「いや…」



《手離されたら淋しいかも…えっ?何で?》



そう思う自分がいる事に自問自答した。





好きとかの想いはない。


だけど淋しく感じるのは


私の中にある


周囲のカップルが


羨ましいと思うからだろう


もう少し手を繋いで歩きたい


そう思う自分がいた





「ね、ねえ、木戸君。これからどうするの?」

「どうするん?」



「………………」



「決めてないよ」

「俺も決めてへんよ」




私達は笑う。




きっと私達には関係ない


ただ だだ


一緒にいる事で


楽しい時間を過ごせるからだ


行き当たりばったりの


フレンドデートなんだと思う





スッと手を差し出す。



「良かったら、手繋いどこか?」




ドキン…




「うん…」




私達は、恋人繋ぎじゃなく普通に手を繋いで街をブラついた。





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