転校先は不良(ヤンキー)校!?①〜木戸 勇真 編〜

ハル

第1話 出会い〜転校先は不良(ヤンキー)校!?

「希美、引っ越す事になったんだけど…」

「えっ?」



母親からの突然の言葉。



「…学校も変わる事になるけど…平気?」

「…そう…か…分かった…仕方ないよ。大丈夫」

「ごめんね」

「ううん」



私はとある高校に転校する事となり、引っ越す事になった。



「…あれ…?…女子…ほとんどいない…んだけど…」

「元々、男子校やってん」


「えっ!?男子校!?ありえない!どうして、こんな所に転校……ん??」



バッと振り返る視線の先には、3人の男子生徒。



「真面目ちゃんそうやな?」



そう言うと、ニカッと笑う男の子。



《うわ…カッコイイけど、可愛い系の男の子!》



「転校生〜?」

「こんな男子ばかりの高校に女子って…ヤバくね?」



「………………」



「一応、女子もいたけど~、何か減ったみたいだよ~」


「あー、そうらしいな?ちゅうことは、お前一人なんちゃう?」


「…えっ!?」



「………………」



「まあ…事情あるっちゅーなら、しゃーないわな?せいぜい頑張るんやで?」


「そうだね〜」




3人の男子は、私の前から去って行く。




「………………」



私は一先ず、渋々、校舎内に入り、転入の手続きを済ませる。



「あの…ここって…女子いますか?」

「女子…ですか?」

「一時期いましたが皆さん他の高校へと移られて…」

「それで?」

「女子はいないのも同然かと…」



「はあぁぁぁっ!?」



「す、すみません!いや、まだ間に合うので他の高校を紹介……」


「結構です!面倒なので、そのままにして下さい!それじゃ、失礼します!帰ります!」



私は帰る。




正門を出ると。



「あれー?女子いるしー」

「可愛いーー」

「それは、どうも!」



スッと去って行く。



「おっと…そんな素っ気なくしなくても良いじゃん?」


「知らない人ですから!」


「まあまあ。ねえ、遊びに行こうよ」


「行ってらっしゃい!私は、そういう気分じゃないから」


「じゃあ、どういう気分?」


「どういう気分か?って…」



グイッと相手の胸倉を掴んだ。



「ボコボコにしたい気分かも〜?」


「…えっ?…よ、よせよ!」


「だったら失せろ!」



そう言って離すと相手は慌てて逃げるように走り去った。




「お前、強いんやな?」




ビクッ


突然の声に驚く私。




「きゃあっ!な、何!?いきなりは反則だし!」




振り返る視線の先には、さっきの3人がいた。




「心配するまでもなかったっつー事だな?帰ろ!帰ろ!」





そう言うと、帰り始める3人。




《えっ?もしかして…心配…》

《ま、まさかね…》




私も帰る事にした。




転入初日。



「今日から、このクラスに……」



ガラッ


後ろの引き戸が開く。



「おっはよーーさん。先生」

「うぃーす」

「おはようございます」



「………………」



「お前ら相変わらずだな?」

「けーへんよりマシやろ?」


「そうそう」

「あれ〜?君は確か…」



《間違いない。この3人はそうだ!》



「ここのクラスに転入してきたんやな?」

「他のクラスでも良かったんじゃ?」

「でも、女の子いるだけで違うよ〜」



次々に会話をしていく彼等の間に入る隙などない。



「棚峅、済まない。もう一度、自己紹介を」



私は自己紹介をする。




「席は一先ず、あの3人の所しかなくて」

「そうですか。分かりました」




私は席に向かう。



「良く来れたな?男ばっかやで?」

「家庭の事情なので…」

「そうなんや。俺、木戸 勇真、言うねん」

「どうも」


「で、向こうが匠 蒼介」

「うん」

「俺は、吉良 優人。宜しくね〜」

「こちらこそ」


「しかし大変やな?こんな所に転入ってありえへん。他に学校あったんちゃうの?」


「迷いましたが、また手続きも面倒なので」


「そうなんや。ちゅーか、敬語おかしないか?同級(タメ)やで?」


「あー、お気になさらず」


「まあ…ええけど…」




そして1日が終わる。


良く話し掛けてくれた彼・木戸君。


関西弁が何かと親しみ易く楽しく過ごせた。


きっと彼は、社交的で人懐っこいのだろう?


そんな私の波乱万丈な学校生活が始まるのだった。








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