第8話 そりゃ無いですよ。だって知らなかったんだもん

手続きをするからと頭に変な輪っかを被せられたおれは、早く風呂に入りたい!とこの施設に連れて来られた1時間位前とは別人の様に横柄に死神からの質問に答え始めた。名前、年齢、家族構成、職業、何処で生まれ死んだ時の所在地、答える度に頭の輪っかが緑に光り気持ちいい風が出てオデコに当たる。何だか保険入る時とかローン組む時のやり取りみたいだ~と思いながら最早半分聞き流し適当にうん。うん。そうねー。と答えていたらいきなり輪っかが赤く光り明らかに死神達が動揺している。おれが「なに?どした??」と聞いても1人の男は何処かに飛び出して行き机の男は狼狽しながら電話しはじめて、目の前の女性も慌てふためきながら分厚い台帳を取り出し一心不乱に何かを見ている……おれは缶のハイボールをもう1本開けタバコに火を付けて、面倒くせぇなこいつら……死神っても何かアレだな。と見ていると「高岡安行さん!!正直に答えなさい!」と凄い強い口調で言われ、え?と返すと「貴方は禁忌を犯してますよね!!」意味判らないって言うと「2年と3ヶ月前貴方は自分の欲望の為に違う世界に行き悪行を働き報酬を得てますよね!」とバンと机を叩かれた。オレは確かに2年位前に色んな事が有り願い事が叶うと言う沼に行き祈りプリマブロフって変な世界に飛ばされ10日間キウイフルーツを奪い合う命懸けの仕事をして帰ってた。事情を説明するとアレは悪魔の遊びで、願い事を叶える何てとんでもなくあの世界で死んだ人達は実在する人間でオレが殺した人数は6人と言う話しだった。だって知らなかったもん!何もしなきゃ殺されちゃうんだよ?と言えばそれだけ殺して生きてて捕まれば死刑確定。死ぬのと変わらない。ココでも生きてアッチの世界に行くだけで重罪な上に自分の欲望の為に人を6人も殺せば極刑!と言われ、おれは拗ねて「だってもう死んでんだろ?どうするんだよ?おいっ!」と返すと無間地獄と言われ、あの世界だって大変だったしそもそも実際本当に行ったのかよ?って自分の中でなってたおれはイライラして「もういーや!1発やらせてさっさと落とせよ」と言うと数人の男に取り押さえられ部屋から引きずり出され(終わった……)と思ったら外に放り出された。???となったおれは門の警備員に絡んだが長い棒で突かれ「もう近付くな悪魔め!」と言われペッと大きな門にツバを吐き懸けトボトボ歩きだした。暫く歩いて振り返ると施設は消え自然公園と言う森に戻っていた。

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