気が付けば死んでて嬉しかったが大変な日々
トミの山
死んで楽になれると思ったらヌカ喜び
第1話 おれ死んだ?
目が覚めると白い天井が目に入った。騒がしくて左右を見ると嫁さんと子供が泣いている……。何コレ??と起き上がりながら「どうしたの?」言うと聞こえて無いのか無反応で自分と目が合わずに泣いている。上半身をお越し再び左右を見ながら子供と嫁さんに「なに?どうした??」と言うも全く無反応で目の前に顔が有るのに視線が2人とも全く合わずに自分は起きてるのにベッドに向かって何か喚いてる。おれは取りあえず困惑しながらベッドから降りて立ち上がった。ベッドを見るとおれが寝ていて何かチューブやら線が身体のあちこちに付けられていて顔を見ると自分と認識出来るが青白い自分じゃないみたいな変な顔で寝ている。部屋を見渡すと半袖の白い服の人がせわしなく動き回り白衣の自分より歳が少し上であろう白髪混じりの人が無言で出ていき病室って事はスグに判った。それから何度か嫁さんと子供それぞれに「ねーねー」と肩を揺すりながら呼んでみるも無反応で、そして自分は恐らく死んだと言う事も何となく泣き喚き続ける家族を見て理解した。しばらく呆気にとられながらその光景を見ていたら
ネックプレートを下げた人が部屋に入って来て何やら嫁さんに早口で説明して、その間に看護師が寝てるオレの鼻や耳に綿を詰め説明が終わるとネックプレートを下げた人が2人掛かりで慣れた感じでおれの服を剥ぎ身体を拭き白い浴衣みたいのを着せている。ソレを見て自分が死んだと言うのを確信した。気が付けば死んでる何てパニック状態になりそうだが……不思議な事に身体も軽く心地よい気分だったおれは、その光景を他人事のように見ながら部屋の外に出て廊下を歩きだした。廊下を歩くと車椅子の中年の人、せわしなく行き交う看護師、パジャマ姿でスタスタ歩く一見どこも悪くなさそうな女性、手摺りに掴まってよろけながら歩くご老人。フと廊下の壁の案内のプレートを見るとICU↔脳神経外科と書いて有った。階段が有り降りようとすると廊下に姿見が有り自分を見ると頭のてっぺんに薄緑色の細いアスパラが生えていて自分の姿が少し透けていた。頭のアスパラを引っ張ると抜けなくて強く引っ張ると痛くないが眩暈と耳鳴りがしてグリグリしたらポキッ!!と折れて身体が上に持ち上がり竜巻とか何かに巻き上げられそうになり咄嗟に廊下の地面に這いつくばって耐えた。少しすると収まり鏡を再び見るとアスパラが元通り生えていた。おれは折れたアスパラを拾い階段を降りて再び頭に生えたアスパラが気になり触りながら病院の中を歩いた。
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