第2話
「悟〜!」
「なに?」
俺が教室で友達と喋っていると絆が割って入ってきた。
「あのさぁ、実は今朝隣のクラスの石原さんに呼び出されてさ、告白されたんだけど!」
「マジで?昨日の今日じゃん!」
「そう!さっそく当たってんの!」
「まぁでもたまたまって事もあるしさ」
「え、どうしよ。付き合った方がいいかな?石原さんタイプじゃないし断ってもいいかな?」
「ちゃっかり間に受けてんだね」
「だってさ、一生恋人出来なかったらどうすんの?!」
「大丈夫だって、どうせ当たらないから」
「そんな事言って責任とれるの?!」
「あ〜!じゃあ試しに付き合ってみたら?」
「試しに?」
「そう、それでしょうもなかったら別れたらいいじゃん」
「でも別れたらだめだって言われたし」
「恋人がいないよりいた方がいいなら付き合うしかないんじゃない?」
「そうだよね、一生一人よりはマシだよね」
絆はそう言っているが、俺は絆に恋人が出来なくてもいいと思っている。何故なら僕がずっと側にいたいからだ。
それに石原さんは絆とは合わないだろうからどうせすぐ別れると俺は踏んでいる。
「てか石原さんって親しい間柄かな?」
「確かに。親しいとは言い難いけど、そのくらいの誤差はあるのかも」
「やっぱりたまたまなんじゃね?嫌なら断ってもいいと思うけど」
「占い通りだとしても、違っても、とりあえず付き合ってみる。せっかくのチャンスなんだもん、付き合ってみると意外と楽しいかも?」
「絆の好きにしたらいいんじゃない?」
「もう少し興味もてよ」
「ごめん、ごめん。で、返事はいつするの?」
「わかんない。下校の時にでも言ってみようかな」
俺は午後から部活があるが絆は帰宅部の為いつも帰る時は別々だ。
「てか石原さんって何部だったっけ」
「そういえば帰宅部だったような」
「じゃあ帰宅部同士仲良くなれるんじゃね?」
「そうかもね〜」
絆は気がすむと自分のクラスに帰って行った。
「東さん占い信じてんの?」
俺たちの話を聞いていたクラスのやつが言ってきた。
「うん、そうみたいだね」
「へー俺も行ってみようかな占い」
「お前が占いとか行っても絶対信じないだろ。金の無駄無駄、やめときな」
「やっぱ悟も信じてねぇよな」
「まあ占い師からしたら半分当たればラッキーぐらいじゃないの?」
「ハハハッー悟冷めてんねー」
結局その日は部活が終わるのも遅く絆に話を聞く事は出来なかった。
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