(二)-14
もう一人の武雄は、三年間同じクラスにはならなかった。地元の高校に行ったという噂を聞いたことがあった。
いずれにせよ、その後幸か不幸か、武雄という男子とは私は縁がなかった。だからコイツがそれを知っているというのは謎だった。
それに私のことを知っていそうな人は、この大学に入ってからは見当たらない。同じ高校で一緒になった子は何人かいたけど、なぜか他の子はみんな理系なのでキャンパスが別だった。私だけ別になってしまったのだ。
そんなことを考えていると、彼は「いや、何でもない」と掴んでいた私の手首を離した。
その後、私はみんなとは合流せず、そのまま家に帰った。彼はカラオケに行ったみたいだった。友人に手を出していなければいいけど。
(続く)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます