旅人的

旅人的（自己紹介のようなもの）

「今まで食べたものの中で一番美味しかったのは？」という質問があったとして。

美味しかったもののことを思い出すときには、そのものの味を思い出してみるというよりは、その状況もろとも思い出してしまう、と気づいた。

わたしは極寒の中で食べるトン汁が好きである。とは言っても故意に作り出された極寒ではなく、たまたまその時の状況が極寒であり、心が荒みかけていた時にふるまわれた、そのトン汁、だ。

わたしは本を立ち読みするのが好きだ。

買って手に入れた上で読むよりも、書店などで手にした本をその場で読むほうが、鮮度を感じるというか、よりリアルタイム感を味わえるような気がしている。勝手に。

わたしはライブに行かないタチである。

人がどっさり集まって熱狂しているというのが苦手とか、もともと自分が周りと一体感を得にくい、とかいうのもあるのだが、チケットをとるというのも苦手である。ライブ当日がどんな日かはわからない。その日の自分が、どう考えてもテンション上げきらないような状態だったりしたらと思うとなんだかやりきれない。

しかしフラリとあらわれたオッサンの吹いてる口笛にスイングを見出したり、店の音楽コーナーで色んな音楽が絶妙にまざり合って高揚したりすることなんかがある。

わたしは偶然その時に出会ったもの、というのがおそらく好きなのだ。