第5話 海水浴②
翌日は朝早くから目が覚めた私達子供は、顔を洗ってすぐに民宿から出て散歩を始めました。もちろん母親に行ってもいいか聞いてからですが。
野間海岸にはいくつも民宿がありますが、半分漁業関係者で実際に漁にも出る家も多く、朝早くに漁に出た船が帰って来る時間に私達は散歩してました。
海岸から山へと行く川沿いに町が並んでいて、川には堤防があり、そこら中に猫が居て人間が行くとこちらの足に「餌くれ~~。」と頭でさすってきます。
昔から猫にも犬にも好かれるのですが、野間海岸の堤防沿いにはよほど猫が多いのか終いに20匹を超える猫がぞろぞろ付いてくるので、魚の匂いでもするのかと思ってしまうほどでした。
これはいかんと堤防から降りて家並みの道に入り、苦労して民宿に戻った頃にはご飯のいい匂いが漂ってて、私達の姿を見かけた母親達の一人が「ご飯やよ~~~!」という声が聞こえて、子供達と走り出しました。
朝ご飯は魚の干物、海苔、卵、磯蟹の味噌汁、ごはん、海苔の佃煮。
簡単だけど干物がとてもうまくて、干物一匹でご飯大盛り2杯食べられました。
磯蟹の味噌汁は蟹の身は食べないものの出汁が出ててうまかったです。
玉子も民宿の庭で飼ってる鶏の卵で小振りながらうまかった。
ご飯の後は散歩の続きがしたかったけど、先に宿題をしなさい!とのことで皆、宿題に精を出します。それぞれ学年が違うものの、宿題を片付けます。
私は早めにやってあるので、難しそうなものだけあと数ページで終了予定なので、一日に1ページだけ時間かけてやっては、年上の従兄弟に答え合わせしてもらいました。
従兄弟たちのうちの3人くらいは、宿題が溜まってるとかで居残りでした。
居残り以外は皆、水着に着替えて海岸へ。
母親達が民宿の台所を使わせてもらって大量のおにぎりを作ってきてました。
私達は昼頃までずっと遊んで、唇が紫になるくらい冷えた身体で、親たちがいるベースに戻り昼御飯スタート。
あのときのおにぎりはほんと美味かった。
お握りの具は梅干しだけ。それも梅干し入りか、無いかの二択。
それと出汁が効いた少し甘い卵焼きがおかずでした。
昼ごはんの後はまた泳ぐ泳ぐ、貝を拾い、きれいな石を見つけ、カニを探して、魚をタモで追い回して、浮輪に乗って波間に漂って麦わら帽子から見える青空と白い雲を見て「ざざ~~~ん。ざざ~~~~~~~んん。」という波の音とどこかで子供の歓声を聞いてました。
また夕方になり風呂場で真っ赤だった肌が真っ黒に変わって来て、晩御飯前に年上の従兄弟とカニを捕りに海岸へ行き、ぐっすりに熟睡します。
こんな日常を3日くらい過ごして家に戻りました。
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