第2話 ラジオ体操
ラジオ体操カードには協賛広告が入ってて、グリコとか明治乳業とかのアイスクリームの写真等が使われてました。(自転車ならツノダのテーユー号の時もありました)
裏面には7月20日から8月31日(年代によって日数は違ってるみたいですが)の枠があり、そこに出席したらスタンプを押してもらえました。皆勤賞が貰えるので結構みんな真面目に出席してましたね。確か、トンボ鉛筆のセットだと思います。
町内ごとにラジオ体操の場所は決まっていて、広い場所を貸してくれる神社や寺で開催されるのが多かった(団地だと中庭とか)。
町内会長さんと役員の方が大型のラジオ持参でやって来る頃には皆集合完了してました。
うちの町内には大泉寺という寺が開催場所で、住職と町内会長である米屋の社長が毎日世話をしてくれました。
境内でラジオ体操が終わった後に会長さんがスタンプを押して解散と思いきや、その後に住職から有難~い法話を聞いてから一緒にお経を詠むのです。
普通の子供ならお経なんか詠みたくないのですが、お経が終わったら住職さんからお菓子を貰うのが楽しみで、足がビリビリ痺れるのも物ともせず、お菓子「タマゴボーロ」を貰った後に家へと走るのが日課でした。
今でも売っている「タマゴボーロ」で育ったと言っても過言ではないです。
町内会長さんはちょっと偏屈な所がある方でしたが、とても真面目な方でラジオ体操もまるで軍人さんのようにピシピシとした動きで体操するものだから、面白過ぎて笑い転げそうで足のももをつねって堪えたくらいでした。
住職の息子は通称「パンツ」。2つ上でしたが優しいのでちょっとヤンチャの私と良いコンビで境内奥にある墓場あたりに沢山いたカエルを捕まえては遊んでました。
子供と言うのは無邪気だけど残酷な事をするので、私とパンツは捕まえたカエルの中で一番大きなガマガエルのお尻に2B弾を突っ込んで爆発させたり、今思えば随分残酷な事をしてました。当然、「パンツ」と私は住職に見つかり、当時墓場の中央奥にあった木にくくられて、「反省するまでここで待ってろ!」と怒られて、一時間ほど住職が来るまで、蚊に刺されながら黙って待ってました。
あのパンツとはつい数年前に墓参りに行った折に再会、(あ、これ。パンツだよな?)と思ったものの、今ではすっかり立派な住職になってたので声をかけることはしませんでした。というのも本名は知らないし通称の「パンツ」では失礼ですしね。
今もあそこでラジオ体操してるのかなぁ?
もしかしてラジオ体操の後にお経を詠んで法話してるのかな?
今の子供はお経なんて読むのかな?などいろいろ思い出してしまいます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます