第275話 その一言が聞きたくて

2023.12.23

今日も今日とてODしてしまった。

どうやら、誕生日の件が何か引きずっているらしい。


別に、プレゼントが欲しいわけじゃない。

ただ、私の誕生日を覚えていて欲しかっただけ。

母は、私の誕生日なんて忘れているのだ。


昔から、そうだった。

テストで98点取っても残りの2点のせいで褒められることなく意気消沈していた。


思えば、褒められたくて、頑張っていた気がする。

でも、褒めてもらったことなんてあったかな、、、


誕生日の件もそうだろう。

一言、何かあったなら、また違っていたかもしれない。


母にとって、私は所詮はどうでもいい存在なのだろう。


誕生日の前後は、いつもこうやって何かしらやらかしてしまう。

誕生日が嫌いだから。


お祝いされない誕生日なんていらない。


次回の受診までに何とかこの悪しき習慣を正したいところだ。

毎日毎日ODしてるなんて、アホだ。


でも、何かから逃げたい自分もいるのだろう。

つらいこと、苦しいこと。何かあるのだろう。


そんな方法でしか、逃げる術を私は知らない。


私の中には、いつも小さな私がいて、その中で母がくすぶっている。


本当は、母から愛情をもらいたかったのに、叶わなかった。

これからもそうだろう。


私の中の小さな私は、いつも寂しい顔をしている。


小さい頃の私は、膝を抱えて、ただ黙ってるような子どもだった。

そうやって、母からの罵詈雑言に耐えていた。


100回のうちの、たった1回あるかないかの褒め言葉を求めて、ずっと頑張っていた。


今もそうだ。


でもきっと、報われる日は来ない。






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