第268話 隣の芝生は鮮やかに

2023.11.19

人の幸せを見ると、自分がどこか惨めな、何とも言えない気持ちになる。


じゃあ、オマエは不幸なのか?幸せじゃないのか?と聞かれたら、別に不幸ではない。


人の幸せを、ココロから祝福できない。

どうしてコイツが、って思ってしまう。


これは、いわゆる嫉妬という感情なのだろうか。

奥さんも子どももいて、新しい出会いを探すって、それってただのワガママだと思ってしまう。

男って、みんなそんなもんなのか?


どこか蔑ろにされた気がして、自分の価値がわからなくなって、つい酒に走ってしまった。


人という生き物は、いつだって無い物ねだりだ。

十分に有り余るモノを持っているのに、ほんの少しの、ココロの中の空いたスペースにも詰め込もうとしている。そんなこと、できっこないのに。


幸せはいつだって気付かない。

それが当たり前ならなおさら。


それでも、隣の芝生は青く見えてしまう。


今は、隣の芝生が真っ青に、鮮やかに見えてしまう。

嫉妬。羨望。そんな負の感情に苛まれている。



私の幸せって、何だっけ?

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