第60話 心の拠り所

今日も仕事だ。

疲れたなぁ。

大したことはしてないのに。


自分の必要性を感じない日々。

無色透明、無味無臭。

つまらない日々。


こうして、思いを綴ることに一縷の可能性を賭けている。

大袈裟か。笑


最近、思うことがある。

私は、人を信用できない人間だ。


旦那のことも、信用していないから、こうして働くのだろう。

専業主婦なんて、旦那に裏切られたら終わりだ。

人生そのものが、リスクヘッジで溢れている。


彼氏に振られても、次の一手を用意しておくような、昔からそんな人間だった。


人を信用できないし、自分の必要性を見出すことができない。


今の私は、職場でも家でも必要性を感じない。


私は、自分のことでいっぱいいっぱいで、家のことなんて二の次だった。


まぁ洗濯は洗濯機が、掃除は掃除機がやってくれる。

大したことはない。


一番居心地を良くすべき「家」に無関心で、もはや綺麗にしようとか、インテリアがどうのとか、考えなくなった。


私の居場所は家でもなければ、旦那でもない。

そんな気がしている。


心から安らげる場所が、きっとどこにもない。

いつもアンテナを張って、休まらない。


夜に薬で強制的にシャットダウンしている。


私には、心から信じられる「家族」はいない。

母も姉も、父も。旦那も。


祖父だけは、違うかもしれない。

でも、もういない。


私が心の拠り所にできる場所はない。

最近、そんな風に感じる。


旦那のことも信用できないから、他の男とも会ったりして自分の必要性や価値をそこに見出す。


誰のことも信じられないから、自分にアンテナを張る。

太った、痩せたと、過敏になる。

自分は人より優れていなければと焦る。


自分自身を、自分自身に必要とされたくて必死なのだ。


旦那にとって、私は必要ない人間だ。

誰にとっても、私は必要ない。


メンタル的にとても落ちているのかと言えばそうでもない。

無味無臭って感じ。


ただ、ふとそう感じた。

つらいとか、悲しいとかではない。


自分は、そういう人間であって、だから普通の人とは分かり合えないこともある。

病気がどうというよりは、これは育った環境に起因するだろうか。


歪んだ認知はなかなか変えられない。

歪んでいるかすらもわからない。


一人、カフェでなんとなく腑に落ちる。








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