第40話 身の程を思い知る

2022.5.14


職場で、女性ドクターと医療事務の女子2人が談笑している。


クソほどどうでもいい内容。

甲高い笑い声が頭にカンカンと響く。

うるせぇ。


そのうちになんだか動悸がしてくる。

作り笑顔も疲れるなぁ。


笑わなかったら、コイツおかしいって思われるから。


夫も含めて、「普通の人」に普通じゃないと思われるのが嫌だ。


「普通の人」にココロを乱されるのが嫌だ。


「普通の人」と過ごしていると、「普通じゃない自分」が目立つのが嫌だ。


何がそんなに楽しいんだろう?

希望があって、悩みもなさそうで、羨ましいなぁ。



この世の中は、「普通の人」がメジャーな世の中だ。

私のような人間はマイノリティだろう。


「普通の人」を目の当たりにして、羨望の感情を抱いて、ココロをかき乱されるのがつらい。


早く帰りたい。

久しぶりに思いっきりODしたいと思った。


あ、やっぱり私病気なんだな。


マイノリティの中で、「普通」に過ごしてると思ったのに、「普通の人」を目の当たりにしたら、やっぱり自分なんかって思った。


井の中で満足していた蛙が、大海に出たらケチョンケチョンにやられました、みたいな感じ?


ココロの置き場がない。

何だろう、この感情は。

今なら、このビルから飛び降りられるかもしれない。


自分はやっぱり病気なんだと、間接的に思い知るほどつらいことはないなぁ。


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