2022年10月14日

 昨日のアドスコアは3,954。

 直近一週間の平均は4,348。

 代表作『異世界で俺だけがプログラマー』のPVは2,546。

 『異世界ファンタジーの累計ランキング』は547位、目標まで205作品。

 停滞してる。


 とりあえず、昨日のネタでちょっと書いてみた。


「スパロ、お前も今日で成人だ。兄弟を補佐する為に試練を与えよう。ティトマウス村を街に発展させるのだ。発展させるまで帰ってこなくていいからな」


 父親にそう言われた。

 くそう、厄介払いされた。

 俺はてっきり兄弟の補佐をする為に文官になるものとばかり思ってた。


 ティトマウス村っていったら、廃村にするか議題に上がっている所じゃないか。

 土地が痩せていて、水源も十分ではない。

 いくら俺が庶子だからと言って、これはあんまりだ。

 だが、逆らって何になる。


 自由民の行き着く先など決まっている。

 スラムに行って犯罪者に落ちぶれて、処刑されるのがいい所だ。


 あーあ、腕っぷしに自信があれば、冒険者になれるのに。

 出来ない事を言っても仕方ない。


「分かりました。3日後に出立します」


 俺は別れを告げる為に、幼馴染のベルベルの所に行った。

 ベルベルは俺の住んでいる屋敷でメイド見習いをしている。


「ティトマウス村に赴任する事になった」

「何時まで?」

「分からない。もしかしたら一生かも」


「おー、スパロじゃないか」


 声を掛けてきたのは、弟のフィンチイ。

 こいつは本妻の子で俺とは身分が違う。

 本来は同じ息子だが、母親の身分が違うとどうしようもない。


「俺達は忙しい」

「つれないな。そうだベルベルは俺の妾にしよう。飽きたら奴隷にして売っ払ってもいいな」

「お断りします」


 ベルベルはきつい目つきでフィンチイを睨んだ。


「ほう、平民の分際で断るのか」


「ベルベルは俺の侍女として連れて行く」

「はははっ、良いだろう。ティトマウス村で一緒に野垂れ死ぬといいさ」


 こうして、俺は旅立った。


「ごめん。巻き込んでしまって」


 赴任する為の馬車の御者台の上で俺とベルベルは会話している。



「ううん良いの。あのままだと何をされていたか」

「ティトマウス村は酷い所だ。飢えないように、余分な金は全て食料に換えて、積んできた。何時まで持つやら」

「二人ならなんとかなるわよ。一人で食えなくても、二人なら食えるって言うじゃない」


 それは独身で自炊もままならない奴が、結婚して二人でご飯を作って食べて、同じ金でなんとかなるって事だろ。

 俺達には当てはまらない。

 ベルベルは明るく振る舞っている。

 否定しても仕方ない。


「そうだね。一人より二人だね」


 10日ほど旅をして、ティトマウス村に着いた。

 村の現状は酷かった。

 やせこけた村人。


 枯れた作物。

 村人は動く気力もなくて、うずくまるしか出来ないでいる。


「食料を分けてあげましょうよ」


 ベルベルがそういう。


「そんな事をしたら俺達が暮らしていけない」

「彼らを見捨てるの?」


 俺は決断を迫られた。

 どうする。

 彼らを見捨てて俺達だけで生き延びる?

 そんな事をしたら、嫌な貴族になってしまいそうだ。

 神様、いるなら俺を助けて下さい。

 俺がやるしかないんだよな。

 飢餓の本は読んだ事がある。

 いきなり栄養がある物を食わせると体が驚いてしまう。

 干し肉の煮汁と小麦粉をお湯で溶いた物を混ぜて、塩で味付けしよう。

 これなら、村人全員に行き渡る。


 俺とベルベルは麦の重湯もどきを作って振る舞った。

 村人には感謝されたが、明日からどうしよう。


 俺が猟に出るしかないのか。

 とりあえず、今日は寝よう。


「ねぇ、起きて」


 俺は夜中、ベルベルに起こされた。


「何だ。モンスターでも攻めてきたか」

「外を見て。夜なのに空が明るいわ」


 俺は窓の木戸を開けて外を見た。

 本当だ、明るい。

 星が落ちてきたのか。


 本に書いてあった。

 まれに星が落ちてくると。

 落ちた後の場所から鉄が採れる事があるらしい。

 その鉄は縁起が良いって言うんで高く売れるみたいだ。


 光はどんどん強くなった。

 俺はベルベルを庇って、床に伏せた。


 轟音がして地面が揺れる。

 光が治まった。


 鉄だ。

 鉄を採るぞ。


 俺は外に飛び出した。

 焦げ臭い匂いに構わず、星が落ちた場所に行った。

 そこは畑だった。


「鉄は? 鉄はどこだ?」

「これより、命令256条に基づき行動を開始します」


 声がしたが、姿は見えない。


「誰だ?」

「知的生命体と接触。マスターと認定します」

「どこだどこにいる」

「目の前にいます。私はナノマシン・ハイチック8000。今は畑に同化中です」

「お前はなんだ?」

「さきほど答えました。無意味な質問です」

「精霊か?」

「ごく一部ですが、そう呼ぶ者もおります」


 神が精霊を遣わしてくれたのか。

 これで俺達は助かったのか。


「何が出来る」

「資源調査ナノマシンですが、作る事も可能です」


 資源調査って、ええと地上を調べにきたのか。


「作物を作れるのか」

「この畑の資源を使って良いのなら」

「分かった。畑の精霊なんだな。野菜を作ってくれ」

「分子3Dプリンター起動。野菜完了」


 分子3Dプリンターって何だ?

 分からない単語だが、精霊の力を行使したんだな。

 畑に瑞々しい野菜が実った。


「凄いぞ。これで飢餓が解決だ」

「マスターとの亜空間通信を要望」

「要望に応えるよ」

「ではその光っている野菜を摂取して下さい」


 言われた通り光っている野菜を食べた。

 見た事のない野菜だが、瑞々みずみずしくて甘くて美味しい。


『通信テスト。聞こえますか?』

「聞こえるよ」

『通信テスト完了。マスターになられたあなたには、義務が生じます』

「義務って?」

『銀河連邦資源局との通信回復です』

「言っている意味が分からない」

『あなたには通信設備を作る為の手助けをしてもらいます』

「具体的には?」

『所有者がいない、またはあなたの資源を提供して下さい』

「資源ってどんな?」

『土でもゴミでもなんでも構いません』


 簡単な要求だな。


「手始めにこの畑の土は自由にしてくれていいぞ」

『了承。土を原料にナノマシンの増殖を開始します』


「名前が長いね。ナノって呼んで良い」

『ナノ、了承』


「ふぁー」

『マスターの睡眠欲求を感知しました。睡眠を推奨します』

「言われなくても寝るよ。お休み」

『お休みなさい、マスター』


 屋敷に帰り、俺はベルベルを何でなかったと落ち着かせてから、ベッドに入った。


 とまあこんな感じかな。

 ナノマシンが畑に偽装する理由は次話だな。

 敵に見つからないよう隠密行動するようにプログラムされているという理由だけど、ちょっと無理があるかなとも思っている。

 今日も少し書き進めてみようと思う。


 ここからは農業日誌。

 昨日の収穫はなし。

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