第2話

あれから3日後、依頼人の伊林圭壱いばやしけいいちの依頼内容が少しホラー染みていた。

圭壱「あ、あの、こんな内容の依頼なんて、初めてかもしれないんですけれど」と、依頼人は、人形を出した。

圭壱「これ、友人の益川保秀ますかわやすひでっていうやつの家に送られた人形なんです」

人形家伯爵ルドールとルビがふられた箱と共に贈られたらしい。

圭壱「ただ、その友人も、友人の家もそんな贈り物が来るなんて知らなかったらしくて」

更級「ふむ、そのルドールもそうですが、家族構成を教えていただけますか?」

圭壱「は、はい」


両親の名前は益川直泰ますかわなおやす益川秀実ますかわひでみ、元妹さんは益川名保美ますかわなおみという。

今は男性化したため、益川直樹ますかわなおきという名前らしい。

箱の写真を見てみたら、住所と宛先にあったのは妹さんではなく、益川保秀の氏名だったので、まあ、益川保秀に宛てたものなのだろう、と思った。


そして、人形にふと視線を移すと、女の子の人形だ。

あと、人形の胸元に「さわのよしこ」とあった。

更級「このさわのよしこという人物にお心当たりは?」

圭壱「友人も家族もないようです」

更級「なるほど」


ただ、その箱と同じように届けられた家で、死者がでた。

早良日賢介さわらびけんすけ、フリーターだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る