更級探偵事務所日誌

第1話

更級翔真（さらしなしょうま）は、依頼人、椿里緒菜（つばきりおな）と話をしていた。

依頼内容は、篠畑脩悟（しのはたしゅうご）を探してほしい、という内容だ。

その篠畑某はとりあえず、詐欺師か、何かで、彼女の所持していた200万を奪い逃亡したようだ。

聞いていて、100、偽名かなと思いながらも、調査した結果、やはり偽名だった。

更級「篠原敬（しのはらたかし）か」

明「いまは、金丸不動産で働いているようです」

更級「行ってみるか」

金丸不動産に着いた直後、悲鳴がして、不動産の中にはいり、悲鳴が聞こえたであろう、場所に向かったら、現在は久原隆司（ひさはらたかし）と名乗っていた篠原敬が、うつ伏せで死んでいた。

死因はあからさまに、後頭部の裂傷だ。

更級「何があったんですか？」

牧原「あ、あの」

牧原阿音（まきはらあのん）は、こう証言した。

大きい音がして、倉庫に行ったら、久原隆司さんが倒れていて、奥の窓から、男性が逃げていくのを見たと言った。

ガイシャの回りに散らばる硬貨や、窓の外を見てため息をついた。

更級「そんな嘘いりませんよ、貴女が犯人ですよね？」

阿音「う、うそなんか」

更級「窓の外を見てください」

阿音「は？」

窓の外は酷くぬかるんだ泥道になっていた。

阿音「あ、あぁ」

更級「今逃げていたら足跡がつくはずですよ？」

阿音さんは、自分の姉が、久原隆司に騙されて自殺未遂を遂げたと、自供した。