　まず場所の特定だが、月光の館は有名な心霊スポット。俺は心霊に詳しいわけではないが、少し知っている。

　噂によると、殺人ゲームが行われているとか。

　名前の由来は、山の上にあって、月が重なる様子が怖いから。そして、その殺人ゲームが満月の日に行われているから。

　満月の日に行った人は帰ってこないし、その後の日に行った人は、中の様子を『血の海』と表現した。ただし、死体は無かったらしい。

　過去に警察が調べたこともあるみたいで、誰かの悪戯（イタズラ）だということは無いと思われる。

　そして、本の示している日は満月の日。誰かが死ぬと言うのは、この殺人ゲームを指しているものと推測するのが妥当だ。

　こんな噂を信じるのかと思われるかもしれないが、こんな魔法のように文字が浮かび上がる本がある時点で、常識なんてものはない。

　考えていくうちに、行っても行かなくても殺されそうな気がしてきた。

　何があって、何が起こるのか、そんなことは全くわからないが、行ってみる価値はある。

　こうして俺は、『月光の館』に向かうことを決めた。

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