第44話⁂事件の全貌!⁂



 ★それでは事件の全貌を解き明かして行こう。

 


 2015年4月某日この〔OUGI探偵事務所〕に若いカップルが現れた。

 そして…最近巷を賑わせている『オオカミ怪人』を何としても捕まえて欲しいとの依頼が入った。

 直樹と美咲は早速捜査を開始した。


 多毛症の葵が行方不明になっているので直樹と美咲は、まず多毛症の治療に当たっていた夏美を尾行した。

 東京大学医学部を卒業して、若干40歳でありながら形成外科の第一人者となった優秀な夏美。

 文京区の大学病院で研究と銘打って、懸命に多毛症葵の治療に当たっていると思われたが、何と多毛症は辰也だったのだ。


 だから…夏美は多毛症の辰也と、交通事故で醜い傷跡が残った葵を治すために、寝る間も惜しんで高名な医師となった。


 後で分かった事だが、葵の事故は、母光代の恐ろしいまでの嫉妬が招いた事故で、母の手で組員を送り込んだ結果の事故だった。


 大切な母には変わりは無いのだが、世間知らずの母のせいで、弟辰也はどうも殺害されているらしいとの情報を耳にした夏美。

 更には、母の浅はかな行為で、愛人の息子葵は、取り返しの付かないカタワにされた。


 母に対して強い憤りを感じて居る夏美だが、それ以上に弟辰也の安否情報を得ようと血眼になって居る。


「一刻の猶予もない」


 ◆▽◆

 弟の葵は葵で障害児施設〔レインボウ🌈〕での恐ろしい一連の事件の数々を何としても解明しようと必死になって居る。


 一方の翔は、障害児施設〔レインボウ🌈〕の余りにも恐ろしい実態に、自ら立ち上がり奔走したのだが、嗅ぎまわり過ぎたせいで柳田組の姐さんの逆鱗に触れ、2021年死刑執行となった。


 生前の翔の口癖。

「何故?悪くもない人たちが、次から次にいわれのない酷い末路を辿らねばならないのだ?残念な事に、たとえそれが、自分を可愛がってくれた大切な姐さんだとしても、大切な父だとしても、ダメなものはダメ!」


 どうしても食い止めないと、第二第三の犠牲者が出ると思い立ち向かった翔と葵、更には当時の施設の仲間で、日用品メ-カ-〔プリンス〕副社長の義眼で義足の菊池淳、色盲で発達障害(ADHD)のミュ-ジシャンの矢口謙太、そして…知的障害の画家、田村洋介等々とタッグを組んだ夏美姉弟。



 だが残念な事に、暴き出そうと奔走した翔では有ったが、夢中半で事件の首謀者柳田組の姐さんの通報によって死刑執行となってしまった。


 確かに母と姉妹を殺害した翔が悪いのだが、殺害された3人も殺されるに値する卑劣な言葉を浴びせかけたのだ。

 他の動物には無い複雑で繊細な人間の感情を、これでもかと言う程、ボロボロにして侮辱するとはいかがなものか。


 本当は良い子だったが、運が悪い事に周りの人間に恵まれなかった。

 それが何よりもの不幸だった。


 大切な翔を失った夏美と葵、更には、あの当時施設に入所していた連中は、翔の遺志を継いで事件の真相に迫って行く。


  

 嗚呼!そう言えば職員さんが極力少なくなった障害児・者施設〔レインボー🌈〕から抜け出して夜の小高い森の中を、自由気ままに皆で走り回る回想シ―ンがあったが、延々と悪事を思い出してセンチメンタルに浸っていたのは、この事件に貢献してくれたミュージシャンの矢口健太だった。


 ◆◇◆◇◆

 椿辰也が経営している〔DREAMエンタープライズ〕というイベント会社は、実は  父と相談の上、夏美と葵が設立した会社で、登記上成立している会社。

 辰也を探し出す手段として設立された小規模会社。


 2015年4月某日に〔OUGI探偵事務所〕に訪れた椿辰也社長は、実は葵だった。


 それでは何故、そんな会社を作ったのか?

 

 エンターテイメントとは、人々を楽しませる娯楽の事で、当然サーカスのイベントも手掛ける企業。

 中国のサ-カス団を手配する事も有る。

 要は辰也の情報を得るための会社と言っても過言ではない。


 ▽▲▽

 2015年4月某日この〔OUGI探偵事務所〕に若いカップルが現れた。

さほど若くは無かったが、まぁ~?夏美は派手なファッションで。一方の葵はサングラスと帽子で殆ど分からなっかった。


 そして…最近巷を賑わせている『オオカミ怪人』を何としても捕まえて欲しいとの依頼が入った。

 〔OUGI探偵事務所〕で辰也を探し出してもらう為に夏美と葵が現れたのだ。

 


 こうして〔DREAMエンタープライズ〕に事務員2名ほど常駐させて情報収集していた。

 それでは、葵は何故〔OUGI探偵事務所〕の直樹と美咲が訪ねても、顔を出さなかったのか?

 それは医師をしているから病院に勤務している。

 それと辰也と瓜二つなので、紛らわしくなるので対応に出なかったのもある。


 一方の麗奈は夏美なのだが、勤務医だ。

 忙しくてそれどころではない。


 あれ~?麗奈は性同一障害の男だったのでは?

 実は…麗奈は福島県出身で、2011年3月11日の東日本大震災で亡くなっていた。

 その時に病院に見舞いに行った際に「弟の仇は何としても取ってね!」

 それが最期の言葉だった。

 

 麗奈の遺志を継いで麗奈と名乗った夏美。

 それから、高名な医師なので名前も顔も知られている有名人なので、変な行動はとれない。

 だから…あの日はモデルのような華やかなファッションと、濃い化粧だったので全く気付かれなかった。




 ▲▽

 2015年6月某日東京都内の超豪華ホテル、〔スカイブルーホテル〕で仮面に素顔を隠した状態で交流を楽しむという、何とも非日常的な仮面舞踏会『マスカレード』が開催された


 この仮面舞踏会は、以前から胡散臭いと噂になって居た。

 

 27歳になっていた翔は、ヤクザ渡世の両親に正論を唱えてみても埒が明かないと思い、そこで、人望の厚い翔の言う事なら聞いて貰えると思い「今回の6月の仮面舞踏会の招待客は、僕に任せて!」と父に言った。


 2015年6月開催の人材は翔と葵で手配した。

 田所社長とは、実は葵だったのだ。


 こうして、柳田組の恐ろしい闇が暴き出された。


 この障害児施設〔レインボウ🌈〕を利用して臓器売買という名の殺人、売春等々


  ▲▽

  それでは真夜中に響き渡る美しいバイオリンの音色を奏でる〔オオカミ怪人〕葵は、最初のうちは親の仕送りでアパートで独り暮らしを始めたが、その内夏美たちのマンションの近くにあるマンションに引っ越した。

 

 一方の夏美と辰也は多毛症の治療中は、マンションで共同生活を送っていた。

 

 バイオリンの音色の話になるが、実は葵は3歳からバイオリンを習っていた。

 文京区で深夜に鳴り響いたのは、葵の仕業だった。


 それでは何故そんな真夜中にバイオリンを弾いていたのか?

 

 実は。このバイオリンの音色は、あの仮面舞踏会に送り込む女性の合図だったのだが、どうしても最後の5人が集まらなかった。


 夏美は同僚に嘆いていた。

「弟辰也が行方不明なのよ?」


 それなら警察に通報すればいいのでは?

 通報したが、良い結果は得ていない。

 そこで、探偵事務所に依頼した。


 

 こうして自分達も必死で探し出した。

 それは一にも二にも辰也の危機を感じ取っていたからだ。


 病院の近くにあった夏美のマンションだが、当然のことながら夏美の同僚達も、病院の近くに住んでいる。

 理由は通勤に近いからである。

 同僚たちは「何か力になりたい」そんな心強い事を言ってくれる。


 こうして仮面舞踏会の日が押し迫っていた葵が、姉に足りない人数を知らせていた。

 バイオリンを弾いて足りない人数を姉に知らせる事になって居たからだ。

 

 そんな事をしなくても携帯で済むのでは?

 眠らない大都会東京という事も有り、葵がバイオリンで弾く伝説の名曲カノンが好きな姉の為に、美しい音色で合図を送っていた。

 

 それから……葵も医師で忙しいので、姉弟愛表現の1つ、クラシック好きの姉の大好きなカノンで、人数を知らせていた。

 

 だから夏美が病院の当直時に、病院にも聞こえる距離に住んでいるので、葵は夏美のマンションと両方に分かるように弾いていた。


 こうして、昼食時や夜勤にどうしても力になりたいと言ってくれる同僚に、夏美が頼んだ。


 高級ホテルの超豪華な仮面舞踏会と聞いて、大喜びで女性たちは出席した。


 履歴書は全くの出鱈目で天涯孤独の名目で、出席していたのは医師や看護師、

更には介護士さん達なのだ。

 こうしてすべて暴き出された真実。


 辰也は生きているのかそれとも………?


 次回最終回。




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