🏰仮面舞踏会🎭.:*:・☆💃

あのね!

第1話⁂仮面舞踏会❣⁂


 二〇一五年六月某日東京都内の超豪華ホテル、〔スカイブルーホテル〕で仮面に素顔を隠した状態で交流を楽しむという、何とも非日常的な仮面舞踏会『マスカレード』が開催されている。


「ようこそ皆様、この非日常的な仮面舞踏会『マスカレード・パーティー』にお越し頂きありがとうございます。

何が起こるかわからない、究極の非日常体験を皆様と体現いたしましょう。

ドレスコードは十七~十八世紀の衣装でお越しくださいますようにと、記して置いた通り再現して頂きありがとうございます。

中世ヨーロッパで夜な夜な行われていた『仮面舞踏会』。

仮面をつけ身分や素性を隠して、皆様が今宵限りの中世貴族気分をお味わい下さいますように、また妖しいなんとも豪華な夜会を、現代に再現する事が出来て感無量です。皆様どうぞお楽しみください」


 するとその時、煌びやかな宝石や衣装に身を纏った美しい女性が、仮面を付けてホテルの豪華な大理石のらせん階段を、軽やかにワルツを踊りながら舞い降りて来た。


 余りの演出に只々圧倒される人々を他所に………。


 美しいドレスに身を包み、仮面をつけて、中世ヨーロッパの女王様?気取りでお出ましのこの謎の女性は一体何者なのか?


 まさに中世ヨーロッパにタイムスリップしたかのような、荘厳で怪しげな美しい女王様。

素晴らしいパフォーマンスで一気に場内は華やぎ、そのお姫様?女王様?に釘付けになっている。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 実は…最近この街には、ある都市伝説がまことしやかに囁かれている。


 夜中に度々目撃する、それはそれは恐ろしい、身体中オオカミのように毛むくじゃらの人間なのか、妖怪なのか、更には真夜中に響き渡る美しいバイオリンの音色。


 街中に響き渡る、余りにも美しく儚い音色から人々は皆醜い姿ゆえに、どこかに監禁された“オオカミ怪人”の仕業ではないかと噂をしていた。


 そんなある日のこと、東京表参道にあるベンチャー企業BEST〔アプリケーションの企画・開発・運営〕を展開するする若き起業家“から妙な『仮面舞踏会』への招待状が届いた。


 近年テレビや雑誌で頻繫に紙面を賑わせている、若き起業家“”田所”と名乗る社長からの招待状だ。


 そこにはこう書かれていた。

「選ばれし精鋭たちへ。私は君たちをパーティーへ招待する。絢爛豪華なパーティーを思う存分楽しんでもらいたい。だが、この『仮面舞踏会』に招待された事を絶対に口外してはならない。また、参加する者が素顔を晒すことは許されない。それから…最近巷で評判の”オオカミ怪人”を探し当てたものには法外な賞品をプレゼントする。それでは期待して待っている」


 “田所”は一体何のためにパーティーを企てているのだろうか? それから…「”オオカミ怪人”を探し当てたものには法外な賞品をプレゼントする」と言っているが、一体何の為なのか、それから…もし?これが本当に“田所”本人が主催したパ-ティなら、素性もしっかりしているので安心出来る!


 招待状を受け取った人たちはその招待状を手にして、『仮面舞踏会』の日を今か今かと待ちわびている。


 それでも…あれから日にちが経ったにも拘らず、まだ“オオカミ怪人”に繋がる手がかりは何もない。

 一体この“オオカミ怪人”は、本当に存在するのか⁈それとも誰かの興味本位のデマが勝手に一人歩きしているだけなのか⁈


『仮面舞踏会』に招待された人々は法外な賞金目当てに、躍起になって探し回っているが、そんな”怪人”はどこを探してもいない。


「そんな”毛むくじゃらの”狼怪人”が、本当に私たちの前に姿を現すのか?」

誰もかれも、口々に噂をしている。



◇◇◇◇◇◇◇◇

 そして…仮面舞踏会の日はやって来た。

 するとその時、豪華なパ-ティ―会場に突如としてアナウンスが流れた。


「パーティーをお楽しみの皆様、実は…参加者に紛れ込んでいると思われる“オオカミ怪人”がいるそうです。もし、 一番最初に見つけ出して下さった方には、豪華なダイヤモンドをプレゼントさせて頂きます!」


 今までの和やかで華やかな会場は一瞬にして、欲望と好奇のない交ぜになった人間達の争奪戦会場に様変わりしてしまった。


 本当にこんな現世に”オオカミ怪人”など存在するのか?社長の目的は一体?


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