七聖獣連合国の物語
高町桐加
七聖獣連合国の誕生
この大陸は昔から、豊かな資源と広大な土地に恵まれた素晴らしいところでした。人々はまばらで少なく、各地に小さく集まって生活していました。衰退することも発展することもない穏やかな暮らしがそこにありました。
そんなささやかな喜びに満ちたこの地を天上の神が見初められたのは当然のことだったのでしょう。神は私たちの祖先がより豊かに暮らすことができ、日々の心の拠り所を得られるように、神の分身である聖獣たちを遣わしました。
まずこの地に降り立ったのは、黄金に輝く毛並みを持つ獅子です。
次にやって来たのは闇夜に浮かぶ満月のような瞳を持つ狼です。
三番目に来たのは滑らかに煌めくうろこの蛇です。
四番目に来たのは紫の毛並みと無垢な眼差しの猿です。賑やかなことが好きな
五番目に来たのは燃えるようなたてがみの馬です。
六番目に来たのは大らかな心を持つ緑色の獏です。
最後に姿を現したのは、海や空よりも鮮やかな色をしたカモメです。
聖獣たちがそれぞれの居場所を決めると、神はそれらを領地と呼び、領地ごとに一番人望と才能のある人間を領主として任命しました。人間は神の声を直接聞くことが出来ないので、聖獣を通して神と交流します。人々の思いを纏めて聖獣に伝えるのが領主というわけです。
こうして、私たちが暮らす七聖獣連合国が形づくられていきました。私たちが幸せに生活していれば、神は喜ばれてより多くの幸せを与えてくれます。今私たちが不自由の少ない生活を送れているのは、ご先祖様が神や聖獣と深く関わり、子へ孫へと受け継いでこられたからなのです。
七聖獣連合国の物語 高町桐加 @t_touka
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