第4話

思えば母の言動はあの時から無かった。無言の母に浣腸をして、肛門に指を入れて、便をかき出した。いつも通り、紙で拭いて、シャワーで綺麗に洗った。いつもなら、スイッチ操作は母がやってくれるのだが、明らかに意識を失っているようなので、私が紙で汚さないようにスイッチを押して、温水で尿便と紙が残らないように洗った。前回トイレで母が意識を失ったときは、床に寝そべってしまい、引き摺ってベッドに上げるのに非常に苦労した。今回は車椅子に座らせて楽してベッドまで運ぼうとしたが、上手く車椅子に座らせることが出来ず、上半身が車椅子に乗り床に座り込む状態になってしまい、入浴のためのリフトに使用する風呂のネットを使っても車椅子に座らせることが出来ず、また床に寝込むことになりそうなので、手押し車状態でベッドの横まで運び、風呂のネットにくるんでベッドに持ち上げた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る