1話

四大巫女それは創造神の下、叡智の神、全知の神、全能の神、干渉の神が異界から選ばれ、神器を授かった4名の女児のことである。叡智は琥珀の耳飾り。全知なら翡翠の首飾り。全能なら瑠璃の髪飾り。干渉なら紅の腕輪。人が危機にさらされたとき、召喚を行うがいい。

〜どこかの国の城の中〜

神官「我らが神よ!今ここに世界を救う巫女らを!」

同時刻〜蓮の部屋〜

ren「はぁ。面倒くさ―い!どこぞのファンタジーみたいに召喚されてチート能力持って、冒険者になってみたーい!」

パァ・・・

なんの前触れもなく床に魔法陣が形成され、光を帯びていく。

ren「へ?(髪色変わってない!?目の色も!黒髪黒目に見えるようにしないと目立つくね?変われ〜変われ〜)あ、変わった。(あれ?下、空間空いて・・・)ぎゃぁぁぁ!!」

黒くぽっかり空いた穴の中に僕は落ちていった。

ドサッ

投げ出されたのは何処かのお城のようで、僕の他に4人ほど居た。

ren「ヘブッ!(ここは・・・?)」

kk「あれぇ〜?ここどこなのぉ?(イケメンが〜、た〜くさんっ!)」

so「紗凪、大丈夫?」

sa「大丈夫だよ、苑。」

si「私は部屋に居たはず・・・」

貴族A「五人いるぞ!?」

貴族B「どうなってるんだ!?」

ザワザワ。

貴族っぽい奴らが騒でいるらしい。

神官「はじめまして、巫女様。こちらでステータス確認をさせていただきます。」

kk「はぁ〜い。」

sa「苑、行こう。」

so「そうだね。紗凪と離されないといいけど・・・」

si「・・・・・・」

ren「(ステータスを確認するまでもないような・・・)あの〜、巻き込まれたん僕ですけど・・・」

神官「なっ!?あ、よく見たら貴方は神器を持っていない!誰か彼女を城から放り出してください。」

兵A「はっ!」

kk「待ってくださいっ。その子は巻き込まれてしまったんですよねぇ?だったら私がその子の面倒を見ますぅ♡」

sa「媚び売ってる・・・きしょい。」ボソッ

so「あのババアに聞こえるよ!」ボソッ

si「・・・・・・(近寄らんとこ。)」

ren「あ、いいです。僕、冒険者なりたいので。」

kk「え?でも冒険者ってぇ、難しいしぃ、過酷なんでしょぉ?しかもぉ、血を見慣れてないといけないでしょぉ?」

ren「え?いや、その前に僕は巫女じゃないですからここに居たらダメでしょう。では、また会うことなんてほぼないでしょうけど。兵士さん、城の外まで案内してくれません?」

兵A「こっちだ。付いてこい。」

よし、行くか。

バァンッ!

豪快な音を立てて扉が勢いよく開き、赤い目で、角のあるなんかでかいやつが入ってきた。

神官「何者だ!?」

??「何者?お前がよく知っている相手だぞ。」

神官「お前は・・・・・・魔王グルッペン・フューラー!」

gr「四大巫女が召喚されたと聞いてな。はじめまして、四大巫女達よ。私はグルッペン・フューラー、魔王だ。父上はお前ら人族の巫女なんかに遅れを取ったが、俺はそんなことはしない。今ここで、死んでくれ。」

おいおいまじかよ!こいつ、魔王なのかよ!?

神官「くっ。巫女様方を守らねば!」

gr「死ぬがいい。ヘルフレア!」

ゴゥッ!

目の前が赤くなるほどの炎。その炎に、そこに居た人たちは唖然としていた。

神官「巫女様!」

ren「(死ぬ?どうして?ただ巻き込まれただけなのに。まだ・・・)まだ、冒険者になってないんだよ!(あの炎を消せるだけの水を今、ここに!)」

トプンッ。

部屋の真ん中にハンドボールぐらいの水のボールが現れる。

gr「ん?」

ren「(この魔法に名前を付けるなら・・・)ウォーターハザード。」

ザッパァン!ジュッ。

ヒスイの声とともに水が溢れ出し、炎を消していった。

gr「俺の炎を消したか・・・」

ren「あ、初めてだけど上手くいったわww」

神官「巫女様方!大丈夫ですか!?」

kk「えぇっとぉ、大丈夫ですぅ♡」

sa「なにもない。」

so「同じく!」

si「あの子のおかげで傷一つないよ。」

はぁ・・・・・・良かった。誰も怪我してないね。

gr「ふむ、面白いな。」

バッ!

この人いつの間に・・・・・・

gr「お前、巫女じゃだろう?」

ren「え、ええ。僕は巫女じゃないです。」

gr「そうか。だったらなおさら面白い。」

ren「面白い・・・?」

gr「今日のところは帰ってやろう。面白いものも見れたからな。精々、死なないようにするんだな、巫女らよ。そこのお前もな。」

シュンッ。

神官「そこの君!あいつがまたいつ来るかわからん!結界を強めておけ!」

兵B「はっ!」

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