第26話 真の黒幕

~アマギの家~


アマギ「~♪」実験中


アマギ「さーてと、次に必要なものは~」


そう言ってアマギは、部屋を出て材料を取りに行く


その時、足元に突然魔法陣が現れる、しかしアマギはそれに気づかず、足を踏み入れる


アマギ「ん?」


そしてそこに2つの人影が現れ


アマギ「あべし!」ドカ!


思いっきり吹き飛ばされる


ルクス「っ!?」


アカギ「ハァっ!?」


2人は先程冷静に対処していたが、離れた瞬間、滝のように汗が噴き出た


ルクス(まずい、今のあいつは兎に角異常だ何かしら手を打たないと)


アカギ(このままじゃルクスが攫われちゃう!)


2人はそうしてこれからの事を考えていると


アマギ「...........2人とも?」


ルクス「!?」ビクッ


アカギ「ひぅ!」ビクッ


振り向いた瞬間戦闘態勢に入る大量の魔法陣を展開してほんの一瞬も見逃さないようにした


アマギ「ちょちょちょ、あんたら!何やってんの!?」


いきなり吹き飛ばされ、謝りもせず無視された為、お仕置きしようと呼んだらいきなり命を狙われて戸惑うアマギ


ルクス「...........師匠?」


アカギ「...........お......義姉......ちゃ......ん?」


2人は初めて彼女の存在に気づく


アマギ「うん、私だからさ、早くこれなんとかしてくれない?」


そう言って、魔法陣に指を指す


それに気づいた2人はすぐに元に戻す


ルクス「すいません、師匠てっきりアイツかと思いまして」


アマギ「あいつ?」


少し考えるが、ルクスがこれ程までに焦っている姿を見てわかった


アマギ「..........まさか」


アカギ「うん........その.......まさか」


そしてアマギはすぐに冷静になってある所に行くために魔法陣を展開する


アマギ「とりあえず、彼の元に行くわよ、もしかしたら何かわかるかもしれない。」


ルクス「はい、お願いします、多分時間はそれ程残されていないと思いますから」


それに頷いて、3人はすぐに移動する


——————————————————————

~1時間後~


ドカン!


アマギ達が移動してから1時間が過ぎた頃、アマギの家に何者かが侵入した


???「ルークースー?どーこーにーいーるーのー?」フラフラ


???はゆっくりと歩いて行って、ルクスの部屋にたどり着く


???「..........1番ルクスの匂いがする」


ドゴン!


???はルクスの部屋の扉を蹴飛ばし、中に入る


???「スーーーーハーーーー」


???はルクスの部屋に満ちている匂いを思いっきり嗅ぎ、そして


???「.................」


???「なーんで、雌の匂いもするのかなぁ?」


そこはルクスの部屋でもあるが同時にアカギの部屋でもある、???は部屋の中を物色し始めた


???「アハ、ルクスの下着だぁ」


???はルクスの下着を見つけ、匂いを嗅ぐ

鼻腔にルクスの匂いが満ちて幸せそうな顔をする........しかし


???「........これにも雌の匂いがする」


???は他の棚や扉を開けて部屋を物色する


???「なんで........なんで........」プルプル


何回も言うがここはルクスと"アカギ"の部屋である、当然ある


???「なんで"女"の下着があるのよぉぉぉぉ!!!!!」


???はアカギの下着を見て、その下着を破り捨てる


???「ここも!ここも!ここも!ここも!」


ルクスと共同で使っている為、当然他の服や本などもある、???はそれを全部破壊して部屋を出る


???「ルークースー!!!!!」


そう叫んで部屋を破壊する、???は思う


彼は汚れてしまったと、私の婚約者は変な雌の所為でこういう事になってしまったと


???「早く彼を救わないと、そして私しか見れないように、"また"しなくちゃ」


そう言ってルクスの部屋から出る


???「あら?まだここにいたの?......アイリちゃん」


するとそこに彼女がいた


アイリ「ちゃん付けは辞めてと言っているでしょ?......モルトベール」


彼女....モルトベールは不敵に笑い、話し始める


モルトベール「クフフ、良いじゃないですか、私は貴女の事を気に入っているんですよ?」


アイリ「出会ってまだ数週間しか経っていないのに?」


モルトベール「だからこそよ、貴女のその変わり方は私の"実験の成功"を意味するんですから♪」


そう言ってるんるんと言いながらアイリの頬を舐める


アイリ「まぁ、貴女には感謝してるわよ?少なくともこれで私は本当の私になれたんだから」


私は貴女が好き、なのに貴方は私を見てくれない


だから私は貴方が私しか見れないように、その体に傷をつけた


最初はその惨めな姿が好きだと思っていた、でも違う本当は私の事を永遠に頭の中で覚え続けて欲しいからだった


そうすれば、貴方はその痛みをその傷を見るたびに私の事を思い出す


でも、もうそれは必要ない、まぁお仕置きはするけど、それまでだ。


貴方は私の婚約者、結ばれる運命、それを引き裂く者は例え勇者だろうと実の親だろうと、関係ない


私達の世界に不必要な存在はすべて消す


やっと私は本当の気持ちに気付けた、私は.......わたしは........ワタシハ......


モルトベール「クフフフフ」


モルトベール(勇者に魅了されてたから、勇者の眼ごと解いて、そこから彼女の心の奥に封印してあった本当の気持ちを解放させただけで、ここまで面白くなるなんて)


モルトベール「アハ、人間って可愛い❤️」


そしてモルトベールはアイリの影に入り、アイリはゆっくり愛しい人の元へと向かう


アイリ「私に何処まで付き纏うつもり?」


それに気づいたのか、アイリはモルトベールに話しかける


モルトベール「うーん、わかんない!」


とぼけた口調で話す、それに怒りを覚えたのか、冷たい声で一言


アイリ「殺すよ?」


今の彼女ならやりかねない、殺気も異常なほど出ている、しかしそんな効かないかのように話し続ける


モルトベール「もー冷たいなぁ、恩人なんだから、もうちょっと優しくしてヨォ」


アイリ「.........それもそうね、まぁ私の邪魔さえしなければ良いわ」


これ以上言ってもなんの意味もないと察したのか、己の目的の邪魔さえしなければ問題ない為、諦める


モルトベール「大丈夫だって!私はただ見たいだけなの、貴女の行く末が」


モルトベール(ま、もう一つあるけどねぇ)


そんな事を考えながら、今起きている面白い事を見たいがために黙っておく


アイリ「..........そう」


彼女も気づいているだろうが、目的がわからないし、そもそも興味もないため心底つまらなそうに答える


アイリ「さてと」


そう言いながら彼女は歩き続ける、彼が何処にいるかは匂いでわかる、そこは


アイリ(勇者のいる所......彼には悪いけど、過去の汚点として消さないとなぁ)


もはや彼女にルクス以外の興味が無い


アイリ「邪魔者は皆んな殺す、勇者だろうと実の親だろうと関係ない、特に私のルクスをたぶらかしたあの雌は必ず殺す」


アイリの目に映るのはルクスとキスをしているアカギの姿


アイリ「ただ殺すだけではつまらない、生まれてきた事を後悔し、死んだ方がマシだと思えるほどの苦痛と地獄を味わせながら、じっくりと確実に殺す」


彼女は知らない、彼らが心も体も結ばれている事に


彼女は知らない、あのキスは2人が人生を共に歩むと決めたキスだという事を


彼女は知らない、ルクスの左手に、アカギと同じ指輪をつけている事に..........


——————————————————————


続く

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