三日月の夜

烏瓜からすうりの花が咲いたのは

山入端やまのは

三日月が突き刺さったように見える夜


細裂した白い花びらの先が

複数の糸となり

無音で乱舞すると

ゴシック模様が闇に浮かび上がった


模様はさらに進化して

ニューロンのように触手をのばし

月の光をそのシナプスへと送りはじめる



無辺際むへんさいなる闇に広がる

白く美しい神経細胞のネットワーク

それは

頭上の宇宙なのか

内側の宇宙なのか



銀色のナイフのような月は

夢でも見ていたかのように

消えていた


https://kakuyomu.jp/users/rubylince/news/16818093086527711969

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