12 / 100 | 八文字 未知瑠

〜以下、音声のみでお送りします。諸事情により1.3倍速でお送りします〜



「京介くん。久しぶり…」


「……ああ、未知瑠。久しぶり。純にも言ったけど……女の子だってまったくわからなかった。ごめんな……」



「う、ううん。良いの……姉さんにいっつもあんなカッコさせられてたし…組手ばっかりだったし…。それに京介くんに後押ししてもらったのは本当だったから…だから夢、叶えたよ。あの時、ありがとうね。と言ってもまだまだだけど…えへへへ……あ! あ……青と…緑の…光…の魔法だ……」



「傷だらけだしな……」



「……嬉しい…素敵…ふわ〜ほんとに傷が…痕が…消えてく…すっごぉ〜い! ね! ね! 他にも何か……? 京介くん、疲れてない? 大丈夫?」



「あ、ああ…疲れてはない。ただ…俺は…俺は取り戻せなかったんだ…純の女らしさを…」



「俺…? 京介くんが、俺?」


「純の女らしさを…取り戻そうと思ってな。安易な考えだけど、言葉遣いくらいは変えてみよう、ってさ。でも……純には通じなかった…」



「…良い」


「うん?」



「あ、あ、あ〜あ〜わたしも男の子だと思われてたんだな〜もしかして、アイドルって男性アイドル目指してたと思ってたのかな〜悲しいな〜ショックだな〜チラチラ」


「そ、そうだね、ごめん」



「あ〜あ〜わたしも純くんみたいに男友達と思われてたのか〜もしかして!バレンタインも友チョコと思われてたとか! え? ほんとに? ……ああ〜あ〜すっごくショックだなぁ〜チラチラ」


「…何が欲しい? 未知瑠」



「やた! ね! 京介くんの、俺! すっごく!良い! すっごくカッコ良い! ね、未知瑠にも! 未知瑠にもして欲しい!………だってだって! わたしも男の子だと思われてたんだもん……やっぱりショックだったんだもん……だから未知瑠は、女の子だって……か弱いんだって……お願い、京介くん。未知瑠を…………未知瑠の初めてを………りょうじょくして?」




「…………覚悟しろよ? 泣いても途中でやめねーからな?」


「っ、………う、うん。じゃ、じゃあ、こほん。ワールドマイン、センター、ミッチで〜す。ファンのみんなごめんね〜? わたしのここもあそこも最初っから全部京介くんのなんだ〜京介くん、さあいっぱい楽しんでね! たくさんたっくさん思い出作ろうね! キラッ! あ! きゃっ! も〜がっつき過ぎだよ〜なんて、あ〜こんなの言ってみたかったの! 嬉しい! 京介くぅん! 大好き!ん?、ん?! あ、 見る? 恥ずかしいけど…… ね、ちゃんと女の子でしょ? 先っちょ、いっつもいっぱいクリームで保湿してるから…綺麗な色だょ? 褒めてね? んしょ、あ、もう期待してる…えへへへ恥ずかしぃ…はい、どうぞ召し上が─────」





「京介くんのバカ! 本当に死ぬかと思ったんだから!」

「未知瑠が俺を煽るからだろ?」



「どこが! 煽ってないよ! でも、ん〜京介くぅん〜えへへ、えへへ、ぎゅ、していい?」

「仕方ねぇな。ならもっとこっちこいよ」



「ん〜〜良い!それほんっと良い!えへへ…ちゅっ。あ! そうだ! 録音させて! その喋り方で! ん〜セリフは〜何にしようかな」

「いいけど……ん? 純が来たな」



「京介! 俺も添い寝させろ! 未知瑠ばっかずるいぞ!」


「元気だね…純くん…」


「回復したしな…純、海子さんは?」



「なんか…動かなくなった! 後で回復頼む! 洗うやつも!」


「お前…何した? つーか100パー戻ったな…とりあえず純、脱げ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る