【R-15】甘々な元カレの始まり① 4月16日
平日の夜、杏梨はベットに横になり、そうたとの不思議な関係が始まった日のことを思い出していた。
そうたに言ってもらったこと、してもらったことを思い出していると、心が満ち足りてくる。
◇◇◇
金田に男を作るとメッセージを送ったが、全く返信がなく投げやりになった杏梨は元カレのそうたにメッセージを送った。それが始まり。
杏梨: そうた、久しぶり。元気~?
そうた: 元気だよ。どした?
杏梨: 久しぶりにそうたに会いたいなと思って。明日とか空いてない?
そうた: 大丈夫だよ。
杏梨: 家に行ってもいい?
そうた: いいよ
杏梨: やった~!そうたの好きなハンバーグ作って上げるね。どうせろくなもの食べてないでしょww んじゃまた明日ね!
そうたは去年のクリスマス前に別れた元カレだ。杏梨の方から仕事が忙しいからと別れ話を切り出した。
実際に忙しかったのと、いつも優しいそうたに刺激を感じなくなったことが原因。でも必死に引き留めてくれたら考え直そうと思っていたのに、そうたは意外にもあっさりと承諾した。
そうたの反応に少しがっかりしたが、その後に出会った金田はそうたにはなかったどきどきをくれた。そうたといると気が楽だったけれど、自分が求めていた恋愛は違ったと実感したのだ。
そんな杏梨は今、金田との恋が苦しくて、そうたに頼ろうとしている。
卑怯な自分に嫌気が差しながらも、そうたにまで見捨てられないように気合いをいれて準備した。
そうたの家は徒歩10分位の距離だ。自炊をしないそうたに、ハンバーグの材料を買う。料理を作るのそうたはいつも美味しいって食べてくれる。
金田は杏梨の料理を食べるために家に来てくれたりしない。あちらの家に呼ばれたこともない。いつも外食だ。なんのために料理教室に通っているのか、むなしくなる。
そうたはきっと喜んでくれる。そう思うと嬉しかった。
ピンポーン
久しぶりにみるそうたの顔は痩せていた。元々細身だったが、頬が痩けてげっそりしている。
「そうた!……痩せた?久しぶりだね」
心配だ、たくさん食べさせてあげよう。
そう思いながら家にあがり、いつものように冷蔵庫に買ってきたお酒や食材を入れる。
今日はばっちりメイクして、服にも気合いをいれている。身体中にそうたの視線を感じた。
「杏梨、それでどしたの? 仕事は忙しいんじゃなかったっけ? 」
「そうた、私は平日勤務なの知ってるでしょ。仕事で疲れたから、そうたに癒されたくて会いに来たんじゃない? 」
そうたに近づき手を握ると
「彼氏に怒られるぞ」
と牽制された。でも動揺してるのが丸わかりだ。
「彼氏はー別れたの。あの人、小さくて満足できなかったし、弁護士だからってなんか威張ってて疲れちゃった。私にはそうたの方が合ってるみたい。ねぇ、そうた付き合ってる子いないでしょ? もう一回やり直そうよ」
キスができる位に顔を近づけて、上目遣いにそうたの顔をじっと見つめる。
つい嘘をついてしまった。でももう後には引けない。積み上げた努力の可愛いを駆使してそうたを落とす。
しかし、そうたは杏梨から顔を背けて意外な言葉を言った。
「いや、彼女位いるし杏梨と別れた後すぐ付き合ったんだよ」
正直ショックだった。
「そうなの? どんな子? 可愛い? 」
私より可愛い子なのかな? そうたももう私には興味ない?
「可愛いよ。大学生。肌はきれいだし胸は杏梨よりあるよ」
大学生!27歳のそうたには少し若いんじゃないの? でも流石に若さには勝てない。
心がしぼんでいく。何とか彼の気持ちを私に引き戻したい。
「……そうなの? でもそんな若い子じゃあ、そうたは満足できないんじゃない?」
そうたの背けた顔を手で包んでこちらを向かせ、杏梨はそうたにキスをした。
そうた、キス好きだったよね?
「……っ!」
そうたは顔を背けようとしてくる。
逃げないで。と必死に舌が絡みつける。
大学生より私の方が上手だもん。大人なめんなー!
5分程、濃密なキスを交わした。そうたはもう抵抗していなかった。そうたも気持ちが高まっているのがわかる。
私のキスで興奮してくれた。その事実が嬉しい。
「そうたの好きなこと全部してあげる」
私でも男の人を喜ばせられる。金田は喜ぶどころかあまりさせてくれない。
「そうたのえっちが一番気持ちいいの、ねっしよっ? 」
耳元で囁く。
何も考えず快楽に身を委ねられたそうたとのセックスが気持ち良かったのは事実だ。
でもそれ以上に常に金田にどきどきしているのに、金田はほとんどしてくれない。寝ている金田の横でこっそり泣いたこともある。
「7回位連続でしたこともあったよね。記録更新……する?」
付き合っていたときは仕事とかで嫌なことがあったら、そうたにセックスで全部忘れさせてもらっていた。今回もそうできるだろうか。
勝手知ったる部屋の中、杏梨はこおりをベットに押し倒した。
そうたの手が杏梨の服に触れた。
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