プレオープン【お帰りなさいませご主人様♡】(3)

顔色1つかえずにそう言うとその美しい機械少女は顔を少し赤らめる






「な、慣れません…ね////」


「いやいやいやいや!!何その挨拶!?いきなりドSキャラですか!?え??アンドロイドなんだよね?なんでその言葉が出てくるの!?」



黙っていられなかった。ツッコミをするしかなかった。じゃないと…少しいいかも、とか思っちゃう自分がいたからだ。


「????」


「いやいやいや、????じゃないよ!!」


「ご主人さま達からこれがここでの挨拶だと教えられました!…あ、あれ??よく見たらここはお屋敷じゃない…。。。」


しゅんっとした顔で彼女は瞳をうるうるさせた。


「ちょっと、そこのアンドロイドメイドさん。気づいてはいると思うけど貴方のご主人様とやらは貴方を捨てたみたいだけど。とりあえず名前とかそういうのないわけ?」


先程まで床に座り込んでいた一花はスカートについた埃を払い、そそくさと部屋の掃除を続け始めた。


「申し遅れました!私はA008型汎用性アンドロイドのセイクリッド・ランクルです。お気軽にセイランとお呼びください。過去には様々な方のメイドを務めたり、時には暗殺用アンドロイドとしても活躍しておりました。大抵のことは何でもできます!」


さあ、何で申しつけろ!という眼差しでこちらを見つめてくる。さらっと危険な自己紹介もしてくれるというなんとも素晴らしいアンドロイドなのだろうか。それにしても、本当に人間と見分けがつかない。これじゃあ裸になるまで絶対に分からないだろうな。


「じゃ、セイラン。よろしく。私は一花、今日からこの場所の所有者でこの野暮ったい坊主のボス。それと、今からはセイランのボスだからね。」


凛とした声はサラッとグッサッと告げる。





 どうやら、一花という女はかなり自分勝手なようだ。これじゃあどんなに顔や体型が良くてもモテないだろうな。

僕は絶対にコイツはない。しかも僕は年上よりは同い年か年下がいい。もっとこう、可愛くてふわふわしていて守ってあげたくなるような本当の女の子がいい!!というか、世の高校生男子は可愛い後輩〜とか、どこかカッコイイけど実は抜けてて時々守りたくなるような先輩〜が好きなんだと勝手に決めつけているけれど、多分大体あってると思う。

この織田一花には今の所それがない、どちらかというと近所のおばちゃんが若返りましたみたいな気分になる。

本当にこの人とこれからやっていけるのだろうか。勿論、このアンドロイド少女とも僕は




メイドカフェの未来を描けない。





受験勉強したいと初めて思った。

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