第二十一話 愛って何?

 光一くんがまるで私を捨てたような興味のない目で見ながら去っていった。


 え……?

 え……?

 え……?

 え……?

 え……?

 え……?

 え……?

 え……?

 え……?

 え……?

 え……?

 え……?

 え……?

 え……?


「え……?」


 あれ、私今何か悪いことしたのかな。

 いや、そんなはずないよね。

 何もしてないよね、私?

 だったらなんで光一くんは……『私が愛していない』だなんていったの?

 あんなにヤったのに愛を感じなかったの、この私の愛を?


「わけがわからないよ……」


 そのまま、私は体育座りでうずくまり自分の何が悪いのか考えているとだった。


 ガチャリと扉が開く。


 誰かが家に来ていただなんて気づかなかった。

 

「彼氏さんとはどうだったよ?」


 顔を上げるとそこには喜一先輩が立っていた。


 ああ、もうそんな時間なんだ。


「うわっ、目腫れてんな。つーことは……」

「うん、光一くん、ヤるだけヤって帰っちゃった」

「うわっ、ガチかよ。ん、つーかまじか、あいつ全部使ったのかよ」


 そうだ、これはヤり逃げというやつだ。

 することだけして帰るなんて。


「光一くんが……私が光一くんを愛してないって……」

「なんだそれ、めんどくせえやつだな。ヤらしてくれるっつーのが一番の愛だろ。つまりあれか、それで帰ったってやつか」

「うん」


 愛してなかったのかな、こんなに光一くんのことが好きなのに。

 愛って何?

 どうすれば愛してるって思ってくれるの?


「とんでもねえクズ野郎だな。あいつはお前と無償でヤる資格はねえな」

「……喜一先輩、愛してるってなんですかね」

「んあ、そうだな……言葉にはできないけどよもっと行動してみればいいんじゃないか? もっと積極的にヤるんだよ。そうすれば愛を感じるよ、もっと自分から行くんだよ、そうすれば男は愛されてるって感じるだろ。男なんてそんな生き物だからよ」


 ──そっか、それが愛なんだ。


「まあ、今日はお前の様子を見に来ただけでする気がねーし、これで──」


 ──だったら、練習しなきゃ。


「待ってください」と私は喜一先輩を止める。

「ん、どうしたよ?」


 ──愛するを知らなきゃ、光一くんが傷ついちゃう。


「……愛を与える練習がしたいです♡」


 ──そうしなきゃ、光一くんが私を嫌いになっちゃう。


「何をすれば愛を感じてくれるんですか?」


 すると、喜一先輩はニヤリと微笑むと。


「仕方ねーな、教えてやるよ愛の伝え方をよ」

「はい!」

「まず、ゴムは口で咥えてお前がはめる、お前が動かして、液を出したら飲むこと、あとは……お前がどんなに快楽に溺れてもぶっ倒れるまでする……だな。多分、それで光一くんは落ちるぞ」


 ──なーんだ、そんなので愛を感じてくれるんだ。


「では、練習を……」

「いや、やめてくれ。一回だけでいい」

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