第4話 例えは医者
やっと食べ終わったか……………7は多すぎると思うんだが……まぁいいか、満足そうだしな。
さて、なんでペットボトルやカップラーメンを知らないのか、について聞きたいと思うけど、その前に…
ペットボトルやカップラーメンの残骸について考えている。カップラーメンのゴミは、日本にいたときは普通に燃えるゴミに出していた。だから処理するには燃やせば良いだろう。だがペットボトルはどうすれば良いんだろうか???ポリエチレンテレフタレートだったか?それって燃えるんだろうか?
朧気な記憶ながら、なんかで、燃えない物は燃焼生成物くらいしか無い、みたいな記憶がある。合っているかは分からないがそうなら燃えるだろう。だが今は何でも燃やし尽くすような高温の炎はない。
試してみるか?……
カップラーメンのゴミは発泡スチロール?みたいなものだろう。2つともこの世界からしたらオーバーテクノロジーも甚だしい。人はあまり来なそうとはいえ、燃え残しがあり、そこからなんかあったりしたらイヤである。
考えすぎかもしれない。だが不安要素はできる限り無くしていきたい。
うん、そうだな、マジックバックに入れておこう。邪魔だし容量も埋めてしまうが、幸いにも今はまだ使ってない。予定もない。ある程度溜まってから一気に燃やせば良いだろう。あまり後回しは良くないが、面倒だし今度また考えよう。
「なぁなぁアニム」
「ん?何?」
「なんでペットボトルとカップラーメンを知らないんだ?」
「………あまり死神や天界にいる者たちは下界を見てはいないからね」
んんん?なんか変な間があった気がするな。そして何より、こちらから視線逸らしているしな。怪しいな。
「じゃあなんで箸は知ってて使えるんだ?」
「……それは天界でも使うからね」
「ダウトっ「なっ」」
お、なんか適当に言ってみたが図星みたいだな…………なんかよくわかんないやつだな。いや俺に似ているのか?俺はここまでひどくは無いと思うけどな。嘘つくのは呼吸よりも得意だからな。
なんか、目の前でむむむって唸りだしたぞ。どうやって嘘つくか、どんな嘘つくか考えてるんじゃないだろうな?
「はぁ、しょがないかぁ」
「何がしょうがないんだよ。で質問の答えは?」
「一応ご主人様でパートナーだから本当のこと言った方が良いよねぇ…」
「そりゃそうだ。なにを渋ってんだ?」
そう、なんで渋ってんのかがよく分からない。今もなんか、怒られるのが分かっているのに報告に行かないといけないみたいな、気が乗らないみたいな顔をしている。
「ええっと~まず箸のことを知っているのは、私の管轄だったところで使われていたから、よく目にしていたし、天界でも同僚と練習していた時期があったからね」
「へぇぇ~」
気持ちは分かる。他の人がやっているのを見るとやりたくなるし、箸なんて2本の棒があればできるしな。で、こっそり練習していたのを隠したいのも分かる。する意味ないのに、なんか面白そうだからと練習するのは少し恥ずかしいよな。うんうん。
「まぁ日本が管轄だったなら、よく見るよな。地球の箸を食事で使う文化圏は30%に近いらしいしな」
そう、知ったときはびっくりしたんだけど、手で食べる手食は40%、箸食が30%、フォークやスプーンを使うナイフ食は30%らしい。諸説はあるかもしれない。なんかで聞き囓った程度だからな。
まぁそれは置いといて、なんか歯切れが悪い気がする。いや…なんか…
「じゃあ最初の質問に戻るんだけど、箸を使うの見ていて練習していたんだから、下界を見ていないは嘘になるな」
そうなってくるとなんかおかしいのには気がつく。
箸は見ていたから知っている。でもカップラーメンやペットボトルのことは知らない。じゃあたまたま箸を使っているシーンでカップラーメンが無かった?飲み物はコップでのシーンでけだった?
ん?ん?ん?ということはだ、そう、ということはだ…………………
「えっと~」
「まった」
考えろ。少ない脳みそで考えろ、フル回転させろ。数少ない使う機会だ…………………………変なことばかり考えてしまうな…………………
「まさか……アニムの管轄は…日本いや、地球じゃない?」
まさかとは思う。まさかとは思うけどそうじゃないとおかしいだろう。だが、そうなるともう一つ疑問が、それも大きな疑問が出てくる。
「せいか~い。私の本来の管轄はソーマがいたのとは別の世界でした」
「え、え、じゃ、じゃあなんで………俺はアニムに魂とられたんだ?」
そうこれだ!!管轄が違うなら間違えようがない気がする。もし管轄が地球で、間違えた人が近くにいたや、同姓同名ならまだ分かる。だが、管轄が違うのに間違うことがあるのだろうか。
例えるなら、とある医者がA病院の患者Pに足の手術の予定があったとして、間違えて、全く知らないB病院の患者Qの頭の手術をするようなもんではないだろうか?
えっ?そんなことありえんくね?そんなやついんの?人のやる前に自分の頭を調べろよ。レベルの間違いだと思うんだけど。
「話すと長くなるんだけどね」
「そうゆうのいいから、簡潔に頼む」
やはり少し動揺してるみたいだ。気が急いているのかな?でも仕方ないだろう。自分が死んだ元凶の衝撃的な事実が判明したら。
俺は日本にいる誰かと間違えたのだと思っていた。それが、違う世界の誰かだとなると、なんも…なんにも……言葉にはならないくらい真っ白になる
「まず~________」
簡潔にまとめると、こうらしい。
生き物の魂には魂源コードというナンバリングがされている。それは輪廻転生したとしても変わらない。
魂源コードは100~500桁、天界で使われている魂源コード専用の文字48字によって構成されている。
寿命・自然死での想定通りの死の場合はその場で魂を取ることができ、魂源コードをとある機械に入れると、その魂が画面に写されて取ることができるらしい。もちろんその人のところに行って、行うこともできる。
そのときに入れたコードが一文字抜けていてなおかつ一文字間違いで俺が死んだらしい。
ここまでまとめたのを聞くと、桁と文字も多く、めっちゃ大変だし間違えは割とよくありそうとか思うだろう。でもそんなことはないらしい。そもそも寿命・自然死で亡くなる人というのが多くないという。
本来なら天界にいて、能力が封じられてない状態の死神なら、そのくらいは片手間でできるし、仕事にものすごく追われているということも滅多にないから、見直しも何回もするため、過去数回しかこのようなことは無いらしい。アニムは4回目____
ではなぜアニムは間違えたかというと…本当に片手間でやり、めんどくさくて見直しをしていなかったそうだ………………そもそも管轄、世界が違うのだから違和感はあったらしい。でも、まぁいっかで流したそうだ……………4回目なのにな…………さすがに殴って良いだろうか?
これでも俺は平和主義者だ。殴る想像だけに収めておこう。これからこき使ってやると心に決めた。女神様も擁護してくれている気がする。
「もう終わったことだし、最初に散々謝って、許してもらったし、この話はこれでお終わり!!そろそろ寝ましょ!」
こ、こいつ……………………………………
朝太陽の明かりで目が覚める。
肌寒いが結界魔法のおかげで風はない。遠くから草木の擦れる音が小さく響く。生き物の気配も、鳥の鳴き声もない。木漏れ日が太陽の位置を教え、眩さを与える。
初めての野宿であったが、地面に座り、木に寄りかかり、眠った。歩き、初めての魔法、驚きで疲れていたのだろう。日本が、実家のベッドが、家族が恋しいとは思わない。いや少しは思っているが、眠りにつき頭がリセットされた今でも、今でもなお、この世界での、異世界での生活にわくわくしている。
朝起きたらホームシックにでもなるかと思ったが、これなら大丈夫そうだ______
「おはよう、アニム。早いね」
「おはよ。ソーマ。たまたま目が覚めたからね」
早いねとは言ったが、太陽の位置的にもう10時は過ぎているだろう……日本にいたときは昼過ぎは当たり前だったから、早いは早い。アニムも俺と似たような感じなら、アニムが言った,たまたまは本当にたまたまかもな…
「おなか空いたから早くごはんたべよ。昨日のカップラーメン?で良いから。3つよろしく」
まさか、アニムお前、食いしん坊キャラになるつもりか!?
「オッケーオッケーはいどうぞ」
「ありがと」
朝からよくそんなに食べられるな……え?俺?俺はパンにしといた。メロンパンだ。袋なしでイメージしたらいけた。意外と融通が利いて良い力だ。
おいしい。
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