いつでも一緒だよね⁈
サクラ堂本舗いまい あり 猫部(ΦωΦ)
第1話
彼と一緒に過ごすようになって2年。彼の性格や日常生活もよく知ってるつもり。
最初の出会いは彼の一目惚れ。彼の熱意に流されて気づいたら一緒に暮らしてた。彼はいつも優しく撫でてくれるし、お腹がすいたらすぐに用意してくれるから空腹になることなんてなかった。
「おまえが空腹だと心配だからな」
彼はいつもそう言ってくれていた。
仲間との飲み会に連れて行ってくれた時には
「俺の今一番の宝物!」
と自慢げに紹介してくれたこともあった。
「こいつとはもう2年の付き合いになるけど、今までで一番長く続いてるんだ」
「お前飽き性だからなぁ」
お友達との会話で飽き性の彼が私とは長続きしてると分かってとても嬉しかった。私にとっては初めての彼。色んなことを体験させてくれた人。唯一無二の人だと思ってたのに…。
私の調子が悪くなったあの日から彼の態度は冷たくなった。
「なんでこんなことが出来ないんだ⁉︎」
彼の言葉はキツく冷たくなっていく。私も一生懸命頑張っているけど、彼の苛立ちは日々ひどくなっていった。もうダメかもしれない。
そう思ってた時に彼は私にとっての特効薬を持ってきてくれた。それから調子よくなってきたのに。
今日ちょっとした不注意で高いところから落ちてしまった。いつも通りに前を向いたはずなのに何も見えない!大慌てで近づいてきた彼は私を見た途端、醜いものを見る目に変わっていた。
えっ?私に何が起きてるの?これから先どうなってしまうの?
彼は諦めた様に大きなため息をついている。
「これじゃもうダメだな」
ダメってどういうこと?私にとってあなたは唯一無二のヒーローなのに。こんなに簡単に壊れてしまうものなの⁈
いつも私を優しい目で見てくれていたのに、今日は全然見てくれない。そして彼は意を決した様に私を連れ出し、見知らぬ人に私を渡してこう言った。
「こんなに画面にヒビ入ったらダメでしょ。機種変するよ」
いつでも一緒だよね⁈ サクラ堂本舗いまい あり 猫部(ΦωΦ) @hinaiori
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます