メイド救出作戦 その⑤

「おはようロリアン」


「んぁ?……おはようレイジーさん」


「さて、朝食を済ませに食堂へ行きましょうか」


「ふぁい……」


正直まだ寝てたい……





「今日の朝食はオムライスですか、美味しそうですね〜」


「ふわふわたまご……」


ふわふわたまごって……そういえばレイジーさんは可愛いもの好きだったな。


「流石にこれは真似できないですね」


「ロリアンでも無理か」


「そりゃあ、私よりも経験も向こうが上ですよ」


「おいひ〜」


もうリーゼさんは食べてるし……


「あ、ホントだ」


「美味っ!」






「ふぅ〜食べた〜」


「さ、お仕事の時間ね」


「「はい」」






「今日は応接室のお掃除をお願いします」


メイド長は俺たち3人を連れて応接室の掃除を頼んだ。


「はい、了解です」


さっさとやってしまおう。


「にしても広いな……」


「ですね、置いてある骨董品も高そう」


「割ったらとんでもないことになりそうですね〜」


壺や皿などの骨董品がいっぱい飾ってある…


「にゃ〜」


「あ、ミリアルドさん」


「にゃ〜」


「どうしたの?……」


ミリアルドさん(猫)は辺りを見渡して人が居ないのを確認した。


『いろいろ探ってみたが興味深いものが見つかった』


「へぇ〜」


『あの貴族、ターゲットのメイドをなんとかして母元に戻したいらしい』


「「え?」」


『そんで、秘密に愛人を探しているらしい』


「これからどうするの?」


『そうだな……とりあえずターゲットとの接触を試みてくれ、貴族のほうは俺がなんとかする』


「わかったわ」


「にゃ〜」


行ってしまった……


「どういうことでしょうか……」


「さぁ?貴族にしかわからないからね、ミリアルドに任せるとしましょう」





ミリアルド(猫)


さて、庭にいる貴族を盗み聞きするとするか……


にしてもまさか愛人の元に返したいとはな…


「ん?猫?」


おっとバレてしまったか。


「にゃ〜」


「ほれ……」


これはチャンスか?


「愛いやつめ」


「にゃ〜」


おっさんに撫でられても嬉しくねぇ……


「儂は間違っていたのか……」


「……」


「あやつの約束通りもうすぐ二十歳……」


約束……愛人とのか。


「お主は自由か?」


「…」


「儂はあの子から自由を奪ってしまった……あの日から」


自由を奪う……ねぇ。


「儂のせいであの子は言葉を失ってしまった」


「……」


「あの子を帰してやらねばな……ここより自由な所へ」


「にゃ〜」


訳がわからん……情報と違うぞ。


「……相談するべきなのか……あのマスターと」





ロリアン


「ふぃ〜終わった……」


「広いうえに骨董品に注意しないといけないから大変でしたね」


「レイジーさんがつまづいたときは肝が冷えましたよ」


「す、すまない……」


「あら、早いわね」


メイド長か。


「……少しお話しましょうか」


「?」


「あの子……ご主人様の娘ってことは知ってる?」


「ええ、知ってますよ」


「実はあの子ご主人様のこと好きみたいなの……あ、もちろん親としてね?」


「そうですか…」


「でもご主人様はあの子を母親の元に帰したいみたいなの」


ここまではさっき聞いたな。


「帰したい……か……」


「さ、今日のお仕事はおしまい!ゆっくり休みましょ」





「……よくわかりませんね」


仕事を終え、部屋に戻って作戦会議もとい情報整理をしていた。


「ええ」


「にゃ〜(ただいま)」


「おかえり」


『さて、さっそくだがヤベェ情報が手に入った』


「「「ヤベェ情報?」」」

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