終わりの炎、はじまりの光
MrR
プロローグ:世界は終わり、少年は選択した。
木之元 セイ。
中性的な、たぶん女装したら違和感無さそうな黒髪の少年。
とても荒事には向いて無さそうな少年だった。
しかし世は東西陣営に別れた第三次世界大戦になり、木之元 セイは戦いの才能を開花させて、幾多の敵兵やパワードスーツや戦闘ロボット、戦車、戦闘ヘリなどを破壊し、少年はエースとなった。
戦って、戦って、戦い抜いた。
自分は今身に纏っている赤いパワーローダー(パワードスーツ)が棺桶になることを覚悟した。
しかし少年は激戦を生き延び――そして核兵器の発射を聞いて偶然にも地下のシェルターに飛び込んだ。
シェルターを生き延びた人数は木之元 セイが所属していた分隊を含めた僅かの人間だけ。
放射能が除去されて安心して外に出られるようになるまでシェルターで生活する事になる。
問題なのはどの期間までシェルターで生活するかだ。
学校なみのスペースがあるとは言え、食料も限られている。
幸いにもこのシェルターでの選択肢は幾つかあった。
放射能の影響が除去され次第、外の世界に打って出る。
未来に希望を託してコールドスリープする。
そして木之元 セイはコールドスリープした。
理由は現実に絶望したからだ。
戦って戦って戦い抜いた末に降り注いだ核戦争による世界の滅亡という現実。
友達も。
青春も。
心も。
色々な物を犠牲にしたにも関わらず、訪れたこの理不尽に心が耐えきれなかった。
だけど自殺する事は出来なかった。
戦場で一緒に戦った人達はエースと呼ばれた木之元 セイへ勝手に未来を見出して死んでいった。
だけどその気持ちを無碍に扱う度胸もなかった。
だから――その折衷案がコールドスリープだった。
仲間達はほぼ満場一致でこの選択に納得した。
その気遣いに木之元 セイは感謝しながら――眠りに付いた。
そして時は流れ――
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