大きくなっても君は私の…

夏夜。

プロローグ 高校の卒業式

 ……兄………う兄…


「裕兄‼起きてってば!」

「卒業式来てくれるって言ったじゃん!」


「ん~...行くいく、起きてるから...」


 そう言いながら裕兄は眠そうな目を擦って起き上がった。

 今日は私 篠崎美憂の高校に卒業式だ。

 私にとってお兄ちゃんでそして…


 ―――――――――――――――――――――――—―――――


 長い卒業式が終わって周りの人たちはみんなで写真を撮ったり、

 泣きながら思い出話をしていたり、告白をしていたり…


「はぁ、卒業式まで一人か……、、ん?」


 裕兄は間に合ったのかわからないし、会場でも見当たらなったし、

 なんて考えていると騒がしかった周りが急に静かになって

 私の後ろ側に注目している。


「え、なに…」


 少し不思議に思いながら後ろを振り返ると…


「……っ!裕兄……っ!」


「美憂、また一人で泣いてんのか?」


「泣いてないよ、来るのが遅いんだもんっ……」


「卒業おめでとう。約束通り迎えに来たぞ」


 そう言って裕兄は優しく微笑んだ


 ああ、私にとって君は、裕兄は永遠にヒーローだよ

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