第64話 エピローグ

全てが終わった。


俺達5人はガルイサムに帰ってきて数日…凄く退廃的な生活を送っていた。


今迄、最後まで出来なかったんだから仕方が無いよな…


もう戦う必要も無いし、お金にも困らない


暫く、遊んで後は…仕事をすれば良い


俺にとって大切な者…それはマリア、エルザ、リタ、ロザリオの妻4人に悪友のガイアだけだ。


後はどうでも良い…妻や悪友の家族が居るから故郷は気になるがそれだけだ。


それなのに、そんな大切な存在にこの世界は絶望的な未来を望んだ。


何度も言うが『他の奴らはどうでも良い』


顔も知らぬ他人の命より、自分の仲間の命が大切なのは当たり前だろう。


俺達、村民は莫大な税金を課されている。


俺の前世で言う『納税』の義務を果たしている。


ならば『守って貰う権利もある』


ならば、俺の悪友や幼馴染にやらせるな…税金は払っている。


ならば、自衛隊の様にまずは戦闘職の騎士が戦えよ…そう言いたい。


彼奴らは前世持ちの俺と違い…まだガキだ。


そんな奴らを騙して戦わせるなよ…俺にとってこの世界がクズだ。


前の世界のお爺ちゃんや、ひぃ爺ちゃんは言っていた。


『進め1億火の玉だ』と…


もし、本当に魔王が人類の敵なら、この世界全員が戦えば良い。


パン屋も、娼婦も八百屋も、そんな商売、暫く辞めて上は王様、下はスラムの人間まで全員で戦えば、案外早期に決着はつく。


恐らくはそれで勝つのは人類…と思っていた。


まぁ、デスラと戦ってそれは間違いだったと気が付いたが…


だがな…それでもこの世界は可笑しいと思ったんだ。


何で悪友や幼馴染が、命がけの戦いをしている時に、戦闘職の騎士が酒飲んで居られる訳?


商人が街の中で平和に暮らして笑っていられる訳?


『もっと悲壮感を出せよ』


俺の前の世界の戦争では『赤紙』で健康な男は招集されて戦地に送られたらしい。


全ての国で同じように健康な男をかき集め…総力戦を挑むのが正しい。


それをしないで、誰かに戦闘を世界の平和を押し付けてのほほーんと暮らす…この世界の人間が許せなかった。


だが、もう悪友も、幼馴染もその戦いの輪から外れた。


これから先は…騎士や聖騎士が国が矢面に立って戦っていく…


俺から見たら『正常な状態』になる。


死の運命から幼馴染も悪友も外れた。


「どうしたのかな理人くん?」


「なぁ、また考え事か?」


「最近、理人お兄ちゃん難しい顔ばかりだね」


「心配事なら相談して欲しいですわ」


「いや、何でもない」



もう考えるのは辞めよう…後は面白可笑しく生きていくだけだ。



                       FIN


※終わりと言いながら、もう一話プラスします。


その後はあとがきで、本当に終わります。


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