第37話 マリア初めて(未満)の夜

ガルイサムは凄いな。


前世で言うなら軽井沢の高級別荘地に熱海か伊東を合わせたように海がある。


しかもこの別荘…温泉まで引き込まれている。


更にその中の一部屋は恐らく、教皇様が籠って仕事をする為なのかお風呂にトイレまで全部ついている部屋がある。


夜までまだ時間がある。


本当ならあのまま俺も散歩に行きたかったけど、話の流れでそれは明日になってしまった。


高級別荘地というのは凄い。


中央に管理棟があってそこに頼むと、食事でも何でも有料だが届けてくれる。


色々と相談にも乗って貰える。


コンセルジュは無いとリヒャールさんは言っていたが…そういう言葉は無いだけでシステムとしては有るのかも知れない。


良く考えれば執事が普通にいる世界でない訳ないな。


夜の食事は頼んであるが、昼は頼んで無かったので急遽頼んだ。


一緒にお茶を飲んだり、お菓子を食べながら過ごしたが、


三人とも緊張しているのか、会話は弾まず…そして夜を迎えた。


誰が来るのか俺は解らない。


期待と興奮で胸がドキドキしていた。


自分では手慣れた物だと思っていたが…転生して初めての経験だ。


心は慣れていても体が慣れていないのか…微妙に手が震えているのが解る。


トントン…ドアがノックされた。


部屋に来たのはマリアだった。


薄手のピンクのキャミソールの様なパジャマが見ていて可愛い。


「あの…きましたわ」


俺以上に緊張しているのが解る。


「とりあえず入って」


「はい」


緊張をほぐす為に用意していた紅茶を入れてあげた。


「あの…すぐに始めるんじゃ…無いんですか?」


この世界じゃ皆そうしている。


恐らく高級な娼館以外じゃ、やる時は『やるだけ』だと思う。


特に村じゃ生活の流れでしているから、まぁそうだ。


だが…俺は違う。


俺が居た世界では『雰囲気作り』が凄く大切だった。


それに失敗するとあと少しで…なんて所でビンタをされて帰られてしまう。


「夜は長いから、ゆっくりで良いとおもうよ…お互い初めてだから俺なんてほら…」


そう言いマリアの手をとり俺の胸にあてがった。


「あっ…」


「ほらね、ドキドキしているでしょう? マリアだって緊張しているんじゃない? だからゆっくりとしよう」


「そうね…うん」


少し、緊張がほぐれたようだ。


紅茶を飲みながらマリアと話した。


会話の中に『綺麗』『可愛い』『好き』を混ぜながら気をつけて話す。


マリアはだんだん笑顔になっていった。


「それじゃ、一緒にお風呂に入ろうか?」


「え~と…うん」


そのままマリアの手を引き一緒に風呂場まで来た。


本来なら男がシャワーを手早く浴び、その後に女性がゆっくりとシャワーを浴びて…その間に男が準備を整えるのがマナーだが、この世界にはそんなマナーが無い。

恐らくはそう言った文化が発展しなかったのかも知れない。


「あの…理人、わたし…」

「大丈夫だから、こう言うのは相手の事を思いやってしたい事をすればいいんだよ…マリア愛しているよ、うんぐううんうん」


俺はマリアにキスをした。


「ううっ?!うっうんぐうんうん、ぷはっ…理人…うんぐっううんうん」


最初は驚いた顔をしたマリアだったが、途中からは自分から唇を押し付けてきた。


舌の使い方は解るわけないから凄く拙いが…逆にそれが一生懸命で可愛らしく、愛おしく思えた。


俺はキスをしながら手早くマリアを脱がせて自分もそのまま服を脱いだ。


恥ずかしそうにマリアは下を向いた。


そのまま再び手を引いてお風呂に入り椅子に座らせた。


「あのね…理人、私本当にどうして良いか解らないの…お母さんに聞いた事はあるけど…これ、全然違うし…それにお母さんから聞いたのは、そのね」


この世界のこういう生活は凄く淡泊だ。


前の世界の俺みたいな事は、普通の人間は誰もしない。


「さっきも言ったけど、こういうのに決まりは無いよ、初めてなんだから解らなくて当たり前だとおもう…だったらこうしない? 俺はマリアにしたい事が沢山あるからする…マリアはその中で自分もしたいと思った事があればすれば良いと思うよ」


「うん、解った」


俺はお風呂に入るとマリアを洗い始めた。


シャボンをタップリつけて『素手で』


もう既に始まっている。


「そんな、嫌、恥ずかしいし…そこは汚いよ、駄目だって」


「俺はマリアを愛しているから、マリアに汚い所なんて無いと思っているよ…だから気にしないで」


「はぁはぁ気にするよ…そんな」


結局、俺は2時間近く掛けマリアを三回逝かせる事ができた。


途中からはマリアも俺の体を洗うと言い出し、同じような事をしだした。


たどたどしく真っ赤な顔で体を密着さえていたマリアが凄く可愛い。


「そろそろ出ようか?」


「ええっうん」


マリアの体を手早く拭いて俺も急いで拭いた。


歩いてベッドに行こうとするマリアを俺は抱き上げた。


所謂、お姫様抱っこだ。


「もう驚くじゃない」


「ごめん、これも俺がやりたかった事だから」


「嬉しいから良いけど…ちょっと恥ずかしい」


「だけど、これからもっと恥ずかしい事をするんだよ」


「もう、そういう事は口で言わないでよ…恥ずかしいんだから」



そのままベッドに行きマリアを降ろした。


「愛しているよマリア」


「私もよ」


「ちゃんと言って欲しいな?」


「愛しているよ…理人くん…これで良いかな?」


『くん』か…


「ありがとうマリア」


「もう、理人くんったら…あっそんな駄目だよ、そんな所汚いよ、あっ口なんて、本当に…あっ」


「好きだよ、愛しているよマリア…」


「ずるいよ、それ嫌って言えなくなる…それになんでそんな手慣れているの…可笑しいよ」


「違うよ、俺は大好きなマリアに自分がしたい事をしているだけだから」


「それなら、良いけど…これ違うよ、教わっていたのと違うから」


気が付くともう朝になっていた。


マリアをもう数えきれない位逝かせた。


途中からマリアも俺を真似て色々してきたが初めてなのか凄く拙い。


だが、一生懸命なのが凄く可愛く愛おしい。


1回俺をいかした時のホッとした笑顔は凄く可愛らしかった。


今、マリアは俺の腕の中でスヤスヤと可愛らしい笑顔で寝ている。


俺は前世では変わり者で、行為その物よりも終わった後が好きだった。


腕枕をして眠っている笑顔が凄く好きだった。


それは偽りですら愛おしかったのに..ましてそれが本物なら愛おしさが止まらなくなる。



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