⑥『小学生女子バレーボール全国大会決勝戦』

⑥『小学生女子バレーボール全国大会決勝戦』



 遥か昔に観た『小学生女子バレーボール全国大会決勝戦』の話しである。

 これが未だに忘れられない名勝負でした。


 特に観るものが無く、TVをザッピングしていたら、『小学生女子バレーボール全国大会』を放映していた。


『へぇ、全国大会の決勝戦なんだ。今から始まるみたいだし、ちょっと観てみるか』


 普段スポーツ番組などは観ないし、バレーボールのルールも体育の授業でやる程度にしか知らないが、何となく気になったので観る事にしたのだ。


 決勝戦は九州代表対東京代表。


 東京のチームは激戦区だけあって、5・6年生のみで固められていて、全員短髪でボーイッシュ、体格も大きくて顔に気合いが満ち満ちている。

 なんならスタメンで並んでいる彼女たちの半分は男の子なんじゃね? と思ってしまうくらい、見るからに強そうな女の子たちだ。


 対する九州代表のチームはみな髪が肩まであって、小柄で女の子女の子した、見るからになよなよした子たちが並んでいる。

 一際小さい4年生も混じっていて、人数もギリギリ。

 一人背の大きい子が、6年生でエースでキャプテンだ。


 東京チームは、ブロック・バックアタック・ブロードアタックなどをガンガンやってくる、

オリンピックなどで観るバレーボールの縮小版だ。


 対する九州チームは全員背が低いので、ブロックは放っから捨てていて、『先ず全員でレシーブして全員で返す』と言うひたすら粘る戦法だ。


 これが中学生・高校生だったら見た通りの圧倒的な勝負になっていたのだろう。

 が、まだまだ未熟な小学生レベルなので、東京チームがどんなに技を駆使したゲーム展開をしても、ブロックに一人二人の人員を裂くより 、ブロックを捨てて全員でレシーブすると言うのは、背が低いこのチームならではの苦肉の策だったと思う。


 東京チームにはアタッカーが何人も居て、多彩な攻撃を繰り出してくる。


 それに対して九州チームにはアタッカーはキャプテンただ一人。

 他の子は皆背が低く、アタッカーになり得ないのだ。

 しかもキャプテンのアタックは東京のアタッカーに比べたらとても弱く、唯一の必殺技は『フェイント』!!!(涙)


 本当に良く決勝戦まで勝ち上がって来たなと思う、貧弱なチームでした。


 しかし彼女たちは圧倒的不利な状況にも関わらず、一進一退のシーソーゲームを繰り広げるのです!

 これこそ日本人が一番好きな『柔よく剛を制す』のパターン。

 どうしても九州チームを応援してしまいます。


 もちろん、結果はジワジワと点差を離されて負けてしまいましたが、本当に絶妙なバランスで弱いので、応援せずにはいられない、最高に面白い試合でした。





カンカンカンカァン

 WINNER 東京チーム

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