アキテン(裏) テーマ『バドエンif』の感想集
第二回アキテン(偽)がハッピーエンド縛りの企画だったので「ハッピーエンド縛りをやったならバッドエンド縛りもやらねばならぬのではないか」と思い立って立ち上がった企画がアキテン(裏)でした。長編のバッドエンドifを書く、アキテン(裏)です。
偽と裏の自主企画ページの概要欄を見比べていただくとわかるのですが、裏のほうは偽のおまけとして企画したものであるという経緯から、一作ずつに触れて感想を書く――まではしない、いわゆる『本棚企画』を想定していました。
ただ、自分の想定以上(みなさんハッピーエンドよりもバッドエンドのほうが書きたかったのか、バッドエンドに惹かれるものがあるのかはわかりませんが)反響が大きかったので、今回こちらで短めではありますが感想と紹介をしていきます。お時間かかってしまって申し訳ございません。第三回アキテン(偽)ではこのような事態が起こらないようにしたいので第三回をよろしくお願いします。
そもそもバッドエンドとはなんぞや。
どうしてこのエンディングに辿り着いてしまったのかを遡って考察していくと、わりと「ボタンの掛け違え」であることや「意見のすり合わせがうまくいっていなかった」とか「ここでAさんがBさんに話していればこうはならなかった」とか。簡単に言うと『選択肢のミス』パターンがひとつあると思うんですよね。
今回バッドエンド縛りにするにあたって、せっかくバッドエンド縛りと銘打っているのだから参加される方々におきましては『完全無欠のバッドエンド』を目指していただきたかった。どうあがいてもハッピーエンドには辿り着けない。主人公が救われる未来を完膚なきまでに粉砕してほしい。先ほどの『選択肢のミス』の話と照らし合わせるのであれば「救済ルートへ分岐する選択肢が存在し得ない」ような物語を求めていました。
バッドエンドにも種類があって、本人たちが納得していればそれでオッケーです(なお世界は破滅している)のような〝メリーバッドエンド〟なるものはありますが、個人的にメリバはバッドというよりハピエン(本人たちが幸せなので)に分類しています。その先にどう見積もっても破滅が待ち受けているのだとしても、その物語の続きが描かれなければ、二人は物語の中で永劫に幸せなので……。
https://kakuyomu.jp/user_events/16817330665722817851
前置きが長くなりましたが、参加順に触れていきます。なお、本来のアキテンでは感想の掲載順は枠順抽選を行っています。枠順抽選を行って内枠から、が慣例となっています。
(自分の記憶が正しければ)参加順で一番手の方の作品が残念ながら現在非公開となってしまわれており、こちらで追いかけることができないので、自作品の『じゃあ、』からとさせていただきます。ご了承ください。
・『じゃあ、』
『Zero-Sum Game supported by TGX』のSeasonYに登場する参宮一二三ちゃんの生存ifになります。生存ifなのにバッドエンドとはこれいかに。一二三ちゃん視点で展開されていて、義理の妹から見た本編主人公(参宮拓三といいます)の姿が見られる短編。本編は主人公の一人称で展開されているので、他者から見た本編主人公の姿が見られるのはレア。
・『水晶の目』
フカさんの作品。親父が強かったので返り討ちにされてしまったルート。サプライズが怖すぎるっぴ。でもそういうお話なので仕方ない。マダラ……いいやつだったのに……(と思えるのは本編と関連作品を読んでいるからで、みなさんも『patriot』を読んでくれよな)。場所が違う。意味深。背中の目が本当の目なのかもしれない。
・『どうせみんな死ぬ。〜ふたり〜』
さくらのあさんの作品。んなしぬは基本的にまあタイトル通りなのですが、序盤はわりと学園ラブコメみたいなノリなので途中からの温度差がすごい。これはまなちゃ魔王ルートかな。本編を読んでいないと何がどうしてこうなったのか初見だとわかりにくい仕様だと思いますが、んなしぬ全シリーズ読破している一ファンとしてはしょんぼりしました。
・『13人のリンフォン融合型怪人』
筆開紙閉さんの作品。怪人インフェルノの戦いを描いています。バドエンifなのでまあおそらく負けるだろうなというところから読み始めるわけなんですが、幼馴染を倒さないといけないのは正直過酷ですよね。幼馴染が音楽で洗脳するタイプの異能力者と成り果てていても過酷だと言えますか。五十年の封印が解けて叛逆の時よ! ってところで終わっています。続きどこですか?
・『こなごな。』
大塚さんの作品。演出家の不田房さんと演出助手の鹿野ちゃんは『徒花を喰らう』に登場している男女バディ(※恋愛関係にないものを指す)なのですが、二人の関係性が破局してしまったルート。とてもつらい。不田房さん側の事情もわからなくはないのがつらさを加速させている。鹿野ちゃんの気持ちもわかっちゃいるんだろうな……。でも復縁は絶対的に難しそうなので、本編がこのルートに入らないことを切に願います。
・『ある恋の終わりについて』
鳳繰納さんの作品。わ、わァ……(泣いちゃった)。自分はグロリョナ耐性があるほうなので読めましたが、耐性のない方は注意しましょう。本編の『かみよも』さんのほうでは武の激重感情がまあ最後ぐらいにちらっと露見するんですが、ここまで重たいと救いようがないですね。悲しい。まさにバドエンifでした。
・『Hometown』
ムラサキハルカさんの作品。ひとりぼっちになってしまったツキノワグマの話。寂しい。人間と人外の関わり、めちゃくちゃ好きなんですけども、周囲からすると気味の悪い二人(一人と一頭)だったんだろうなというのが、沙綾の母さんのセリフから見て取れる。世間はファンタジー作品のようにはいかないんだよな。
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