隙(あらば)自(作品)語(り)シリーズ第二弾トキレコ&かみきり編
第五回こむら川朗読小説大賞に応募した2作品の解説
をやっていく隙あらば自作品語りシリーズ略して『隙自語』シリーズの第二弾です。
https://kakuyomu.jp/user_events/16817139556453736660
他の参加者様の作品が素晴らしいので読んでください。主催のこむらさきさんならびに闇の評議員さま、おつかれさまでした!
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今回の参加を決めた理由といたしまして、「(ツイッターでRTされてきたツイートを見かけて)講評を3人の方から確実にもらえるなんてすごい! 楽しそう! 参加しよう( 'ω' و(و"♪」が半分と「こういう自主企画にどんどん参加して自分の長編のほうの新たな読者層を獲得したい」が半分でした。
自分は律儀で誠実な人間なので、長編を更新したらツイートするし、次の更新予定もちゃんと近況ノートで明記しているのでわりとマメなんですけど、自分としても「これ、他人が読んでいて面白いのかな……」と不安になるようなセンシティブな内容で綱渡りしているから「まあ、しょうがないよな」と読者様の定着率が低くても諦めの気持ちはあります。長編で性癖を詰め込んだ物語を書き続けているのが現在進行形の『Zero-Sum Game supported by TGX』です。先に宣伝しておきます。
だから一作目は自分の世界観をゴリ押しする形になったわけですが、ですが……と、本題へどうぞ。
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※この文章は評議員様の講評に目を通す前に書いています。
https://kakuyomu.jp/works/16817139556483704969
『トキシックレコード』(以下、トキレコ)はパーフェクトシリーズ(拙作の『パーフェクト・ワン!』〜『あのときのリテイカー』〜『パーフェクト・プラン!』〜『パーフェクト・エディション!』までの一連の作品陣をまとめた呼称)にキーアイテムとして登場する〝アカシックレコード〟を意識したタイトルです。
あとは「第五回こむら川朗読小説大賞に初参加となる記録」としてのレコードみたいな意味合いもあります。
「トキレコに登場した四人+一人が気になったからパーフェクトシリーズも読んでみようかな!」と思ってくれた人がいらっしゃったらそれはとても嬉しいのですが、パーフェクトシリーズには
彼らは登場しません。
なぜならトキレコ本編でノブ(語り手。三男。喜怒哀楽の哀)が語っているように“この世界から彼らは消えている”からです。存在自体が【抹消】されていてアカシックレコードに記載されていないので、一切触れられません。なんで消えないといけないかというとひとつぶんのひだまりに5つも入ろうとするのはアホだからです。動画として残しているのはなぜなのかってところはパーフェクトシリーズに答えが載っています。
関連作品として『伊代さんは、俺の母親になってくれるかもしれない』が挙げられていますが、こちらは四男(喜怒哀楽の楽)の話です。伊代てゃんについては『あのときのショートショート』のReplacerやRefakerを読むといいかもしれない。『かつて青く、いまとなってはさびついた宇宙船に』にも関連してきます。
今回“朗読”小説大賞ということもあり、四男は本来もっとクセのある喋り方をするのですが、書き方としてある程度抑えています。
読んだ時に“誰のセリフなのかわかりにくい”現象は起きているかもしれません。
作者はわかってるけど、っていうやつですね。
悪癖ですね。
まだ文字数に余裕があるので、四人がそれぞれ自己紹介する下りがあってもよかったのではと思います。
とどのつまり“一人の人間”をさまざまな角度から切り取った時の感情が【分裂】して実体化した能力者なので「一人の朗読者が声を使い分けて朗読してくれる」のに適したキャラクターなのではないかと思います。
今回、たくさんの方から感想を頂きまして「やったー!」と思うと同時に、どうしてもモニョってしまうところがありましたので、この場をお借りして謝罪をしておきましょう。
作者はすべての設定を知っていても読者は書いている内容からしかキャラクターの情報を受け取れないので、皆様からの感想を受け取って「作者はそこまで考えてないよ……」と内心焦りまくりました。鋭い考察が目に入るたびに「お、おう」と。
特に『トキシックレコード』のほうなのですが、日比谷五兄弟(※厳密には兄弟ではないけれど、兄弟と書いておいたほうが何かと伝わりやすいので兄弟と書いてしまう)はうちの子(一次創作のキャラクター)の中でも古株なのに先述の理由で表に出せていなかったキャラクターであります。今から十年ぐらい前に考え出されたキャラクターですね。平成生まれです。性癖小説参加作品の『伊代さんは、俺の母親になってくれるかもしれない』のほうで「せっかくなので出しちゃろ」となりまして、設定をパーフェクトシリーズ準拠で令和仕様にしたのが現行の日比谷五兄弟です。
喜怒哀楽で本体から分裂したタイミングが違う(伊代さんは、の冒頭より)ので
喜(忠義)→5歳児ぐらい。虫が好き。
怒(忠勝)→10歳ぐらい。ヒーロー的性格(怒りはパワー)
哀(忠信)→15歳ぐらい。厨二病的なところ。
すべてが出ていった後の(パンドラの箱でいえば〝希望〟)たる楽(忠治)に悪が収斂された感じです。ハルくんの悪い側面は『伊代さんは、』のほうで書きました。本体の〝無〟は無なので酸素を吸って二酸化炭素を吐き出しているぐらいしか機能がない。
これだけ設定があるのだし、やっぱちゃんと中編ぐらいで書きたいよな〜〜〜〜。
第五回こむら川朗読小説大賞をタイムラインで知ってからその日のうちに「鉄は熱いうちに打て」の勢いで書いたのがトキレコです。
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『先祖の祟りで死ぬまでロン毛「かみきりたい」』(以下、かみきり)はキャプションの通り、主催のこむらかわさんが「黒髪長髪のイケメンが出てくる話」がお好きというツイートを見て、そこからアイディアをどんどんアキノナイズしていった結果としての作品です。自分にない出発点から、いかに自分らしさを練り込んでいくかを考えていくうちにいわゆる“残念なイケメン”になってしまいました。鈍感主人公。あと、金玉小説の影響はありますね。黎明期プロットにはなかったものをつぎ込んでしまってボリューミーに。
普段はもっと上品――いや上品ではないな――コメディではなくシリアス寄りの長編を書いています。
トキレコを書いてからみなさんの作品を拝読しましたが、傾向としてホラー(幽霊が出てくるもの)やブロマンスが多かったんですかね。うちもホラーといえばホラーなのか?(それはどうかな?)ブロマンスは違うしな(同一人物だしね)。お砂場に何も持たずに遊びに行ったら周りはシャベルとバケツで立派なお城を作っていた感じ。ホラーっぽいものを書こうとすると『伊代さんは、俺の母親になってくれるかもしれない』になります。ホラーというより不条理ギャグ!
自分では書けない世界観をお出ししてくる作品、読んでいて楽しいけれど同時に理解が追いつかなくなってしまいがち。頭の回転が早くなりたい。今回の第五回こむら川朗読小説大賞参加作品は全部読ませていただいたのですが、キャパオーバーになってしまったものがそこそこありました。ひとえに自身の知識不足です。勉強になりますね。
ここだけの話ですが、たぶん、ハーレム・小難しい話・ホラー・バイオレンス・ブロマンスの順で苦手(先に挙げたものが苦手度合い高い)なのだと思います。ゴア表現までいくと好きなんですけど殴り合いは痛いな、みたいな。世の中は面白いものがたくさんあるので、苦手を克服して、いろんなものの面白いを摂取できるようになりたいですね。
二作品目の『かみきりたい』は「ガラスを膨らませるように」時間をかけて書きました。
考えまくっていたら長編のほうがまったく進まなくなってしまいました。でも、新しいことを考えるのっていいよね。(個人的には読みやすいのでできるだけ入れたい)改行は減らしました。大澤めぐみ先生のブログを読み、自分なりの「短編観」を改めた結果が『かみきりたい』です。書き出しのロケットスタート。
作中が3月8日なのはレミオロメンの『3月9日』を意識しています。なので今作の公開日を8月3日にしようとしていました。3月8日はサンバの日だから、主人公の名字は桐生(キョウリュウジャーのレッドが桐生ダイゴにあやかって)です。先にヒロインの春川うららの名前が決まっていて、こちらはハルウララ……ではなく春麗(ストファイ)から取りました。あきらはストファイVからの参戦キャラ。元を正せば『ジャスティス学園』のキャラですね。リュウとかケンとかでもよかったんですが、おじいちゃんを“リュウ”として「弟子がさくらだしな……でもさくらだと女の子っぽい名前になっちゃうよな……」と悩んだ結果にあきらになりました。
後述の初期プロット版ではかりんもいました。
ヒロインのうららのほうもタイムラインから情報を収集して造形していったのですが、主人公に引き離されないようにしないといけなかったのでどうしても筋肉質にしてしまいました。高身長まな板妹系可愛いお顔の女の子にしたかったんですけど、ここだけ折れちゃった。あと、某先生から「なんでヒロインが髪を切りたいのかわからなかった」と指摘がありました。た、確かに。短編だからこそはっきりと言葉にして主人公に伝えてやるべきだった。前編で全力のコメディに文字数を割いてしまって、全体で見た時の完成度がイマイチになってしまった反省。もし〝男性の一人称小説〟がテーマではなかったなら、後編はうららちゃん視点にしていたと思います。それか、ヒロインを女の子ではなくて男の子にして、思い切ってBLに仕立ててしまうのもありだったのかもしれない。
長編にできそうなほどネタは浮かんできたのですが、いま書いている長編を“ちゃんと完結させることに意味がある”教なので、とりあえずここまでです。あとはみなさまの皆様の反応次第。読了感謝します。
ベースになっている昔話は『三枚のお札』です。実家にまんがにほんむかしばなしの録画? があって馴染み深かったのですが、調べたところによると青森県だとか秋田県だとかの話らしい。そうなんな。どの辺が『三枚のお札』なのかといえば『必死で逃げているところ』と『かみに念じるとその通りのことが起こる』ところですかね。髪だから三枚どころではないのですが。
初期プロットではスターシステムとして『神のMany Manny』(以下、神まに)より〝波〟様を登場させようとしていました。
かつてどこぞの地域で地母神として崇拝されていた神っていう扱いで。神まにからかみきりまでの間に、ノブくんとハルくんによって神まにで登場した神殿やら御所やらが爆破されている。っていう設定があって(神まにが好評すぎて良心が痛むので書かなかった話)。〝波〟様はめちゃつよの地母神なので肉体が滅んでもアストラル体として生きながらえていて、うららちゃんに取り憑いているっていう設定。
自分は創作するときにキャラクターを先に考えるタイプなのですが、こういうふうにキャラクターを作成しておくと、そのキャラクターはキャラクターとしてキャラ立ちできているから隙間隙間にお手軽に使えて便利。6000字以内だし話とっちらかりそうなのでやめました。下手に神まにへの導線を作るのはやめとこうと。結局はあきらの父が取り憑くことになりましたね。話の展開としても、「うららちゃんに髪を切らせて息子に『神切隊』としての活動をやめさせたい父vs宿命を受け入れて『神切隊』として戦っていきたい息子」という図式に。
あと、初期プロットでは『前編の最後に黒塗りの高級車が校門に現れ、そこから金髪縦ドリルの悪役令嬢ルックスなかりんが降りてくる→かりんがあきらに告白する→うららが「わたしのほうが好きなのに」と憤慨して悪霊と共に襲い掛かる』という流れがありました。かりんは小学校に上がる前にあきらと仲良しで、『小学校に上がるタイミングで(うららと入れ替わりで)全寮制のお嬢様学校に行ってしまい、あきらとは離ればなれ→高校卒業のタイミングで父上から許可を得てあきらに告白しにくる』っていう。うららちゃんかかりんかのどちらかを選ぶ話、ってのが初期プロットのオチ。
かりんのほうは〝実は不慮の事故で亡くなっており幽霊で、あきら(主人公)に告白できなかった未練があって現世に留まっている〟というオチも考えていましたがバッドエンドっぽいのでやめました。まあ、このあとどちらを選んでもどちらかは負けヒロインになるのでどちらにせよバッドエンドな気はします。現行プロットではかりんの存在自体が消えてしまったのでなんともいえませんが。どっちがよかったんだろう。
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ここからは元ネタ解説ゾーンです。
答え合わせだと思ってください。
> ハサミを持った女
『クロックタワー』……は男だけど、オマージュ元が『三枚のお札』なので山姥のほうが正しいかも。
> 三月八日。明日は卒業式。
先述の通りレミオロメンの『3月9日』からです。
> この支配からの卒業
尾崎豊ですね。
> 人生からリタイア
これ再起不能と書くか悩んだところ。ジョジョ。
> お面を家の軒先に飾っておく
節分かな?
> 馬の生まれ変わり?
うまがうまった(クソウマギャグ)。ウマ娘。
> ドロップキック
ウマ娘のゴールドシップちゃんがドロップキックしますね。
> 四回転半トリプルアクセル
ちょうど書いてる時に羽生結弦さんの会見してたんですよ。
> お日様も笑って
サザエさんですね。
> ジュノンスーパーボーイコンテスト
戦隊とかライダーとかの俳優さんがこのコンテスト出身者が多いところから。
> 優雅なティータイムとは程遠い
放課後ティータイム。
> タイムリープマシン。
> ハッキングからか。あとは電子レンジを用意
これもシュタインズゲートの選択か。
> ささみ肉とブロッコリー
肉体作りの素材としてよく使用される食材。
> 全身の毛を要求してくる神
いるのかな。
元ネタは特にいません。自分の作品で〝神〟が出てくるほうが珍しいので……有識者教えてください。
> 鬼太郎さん
ゲゲゲの。
> 古今東西南北七つの海
リズミカルに朗読してほしいフレーズ。
> まるでダメな大人。
マダオってふりがな振るか悩んだところ。
> この血の運命
ジョジョだねえ。
うららちゃんがお義父さんってサラッと呼んでるの好き。
> 聞いて驚け!
名字の由来にもあったように、キョウリュウジャーの名乗りより。
荒ーれーるーぜー!
止めてみな!
まで入れるかとか、「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ」の仮面ライダーストロンガーの名乗りも好きなのでそれにするかとか、色々考えました。
> 後方腕組みオヤジ
後方腕組みオタク。
ワシが育てた。
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