第7話 [ 天川 優樹 ]主人公とヒロインはお前ダァ! その1
朝からコーヒー1杯で数年ぶりの全力ダッシュと、タップ百裂拳で思いっ切りハイテンションになっていたようだ。
夜食用に取って置いたサンドイッチと二杯目のコーヒーで、クール ダウンしつつ回したガチャ結果を見てみよう。
???「お主の引いたガチャの結果がこれじゃな、どうぞご覧あれ。」
ーーーーーーーーーー
…アイテム…
エリクサーLv3
ポーションLv1x3
…スキル…
バーサーク
クリエイト ゴーレム
剣技Lv2 拳技 斧技 盾技
ーーーーーーーーーー
金の光がビカビカ光ったり、銀の光がギラギラ光ったり、紫のオーラがオドロ オドロしく溢れ出たりしながら宝箱が開いていく。
スキルとアイテムが一緒か、いわゆる闇ガチャだな。
ちなみに、金宝箱は[ エリクサー ]、銀宝箱は[ クリエイト ゴーレム ]、紫宝箱は[ バーサーク ]だった。残りは全て茶宝箱だ。
ポーションは3個、剣技Lv2は同じスキルを2回引いたらレベルが上がった。
俺「紫宝箱はバーサークか……」
???「スキルとは装着して初めて使用する事が出来る物である。
そしてスキル、バーサークは魔力を消費し、暴走状態 体力up スタミナup 痛感無効 ステータス異常無効 になる。
受ける攻撃や魔法などはそのままなので、気が付いたら死んでいた。
なんて事があるから気をつけるが良い。
格上相手や絶体絶命の場面などで使用するのが良いぞ。」
俺「絶対いらねーよ! ホントに紫宝箱(ダーク)だな!」
素直に虹宝箱を開ければ良かった、後悔先に役立たずだな。
後、使えそうなのは金宝箱の[ エリクサー ]かな?
???「エリクサーLv3は、HP75% MP75%回復 スタミナ75%回復 それと四肢欠損回復となる。
なかなか凄い物であるな、あと残っておるポーションはHP25回復となっておる。」
四肢欠損回復は凄いな、腕とか足とか切られてもくっ付くのか? 流石に金宝箱だな、それとポーション3個出たのも良かったな。
???「取得したスキルの、剣技と盾技を装着して組み合わて戦えば、なかなか強者な冒険者にお主も成れるのではないかな?」
俺「身長も体重も平均以下で、生まれてから本気で喧嘩した事もなければ、部活も帰宅部だった俺に、今更剣を取って戦えと? 「殴って良いのは殴られる覚悟があるヤツだけ」ってセリフが世の中には有るんだよ。
ハッキリ言ってそんな覚悟俺には無いから、だいたい殴られたら痛いじゃねーか。」
???「そうであるか? それでは残りのスキル、クリエイト ゴーレムではどうじゃな? ゴーレムを創り使役し戦わせれば痛くはないぞ?」
スキル[ クリエイト ゴーレム ]? ゴーレムを創るのか? それは通称[ ゴーレム マスター ]と呼ばれるやつか?……ゴーレム……ストーンゴーレム……ボーンゴーレム……ウッドゴーレム……アイアンゴーレム
何となく素材になりそうな物が無いか部屋の中を見回していたら、クローゼットの中にあった美少女アクション フィギュア[ 天川 優樹 ]と目が合った。
まだまだ顔に幼さを残すが、強い意志を感じさせる2つの黒い瞳が、じっと俺の事を見つめていた……そんな気がした。
俺「ゴーレム…美少女フィギュア ゴーレム…もしかして、これでも良いのかな?」
思わずクローゼットの中から[ 天川 優樹 ]の入った未開封ボックスを取り出して聞いてみた。
???「ふ〜む? ふむ、これは…、うむ! なかなか良い物ではないか!」
え? 良いの? 趣味やギャグではなくて? これ38センチの美少女アクション フィギュアだよ?
???「この娘の人形には、かなりな造り手の煩悩が込められておる。
そういった人の念や憎悪、渇望、色欲、情熱、物欲は魔力に強く反応を示す、それらをゴーレムにした場合、そこら辺の木石より必ずやお主の力強き従者となろう。」
煩悩? 確かに物欲センサーは反応しそうだが本当にそれで良いのか?
???「血を啜り切れ味を増す妖刀も、祝福され魔を払う聖剣も、それが力で有る事に代わりはせんよ。
大切なのは、そこに込められし念と魔力の量じゃな。」
そーゆー物か? でも、[ 天川 優樹 ]が元気に動き回っている姿は見てみたい気がする。
俺の華麗な指揮のもと、カッコ良くターンしてアニメの様に必殺技「フェニックス シュート!」なんてスペシャルアタックしてくれたら最高だ。
俺「う〜ん、この娘を動かしてみたいなぁ、このクリエイト ゴーレムのスキルにするか。
でも、少しでもヤバいと思ったらダンジョンには二度と近づかないぞ。」
???「心理への探求に情熱を傾けるも、荒ぶる血と共に戦いにその身を投じるも、俗世の全てを捨て隠遁するも、全てはお主自身が選ぶ道である。
では、今一度お主に問おう、クリエイト ゴーレムを選ぶ、で良いのか? ならばこのスキルをボチッとするがよい。」
俺「ポチッとな〜!」
反射的に反応してしまった、すると周りに散らばっていたスクロールが左手の上に集まり、光を放ちながら形を作り変える。
もういい加減この演出、飽きて来たなあ、そして出来上がった物は一冊の本だった。
俺「それは、本と呼ぶには余りにも大きすぎた。
大きく、分厚く、重く、そして大雑把すぎた。
それは、正に魔導書だった。」
???「それ程酷い物では、なかろう?」
俺「いや、そのアニメの世界に居る四角い顔した異端審問官さんが振り回していた本を思い出して……。」
その本を良く見ると、大きさはÀ4サイズ、厚さ10センチ位い、飴色になったレザーカバーの角に真鍮の補強が入って鍵までついている。こんな物で殴られたら絶対怪我するわ! これは正に、呪われた魔導書にしか見えない代物だった。
???「これこそが、ゴーレムを使役するための魔導書! その名も[ 祖は左の手に ]じゃ!」
…何故に左の手?
ーーーーーーーーーー
蒼のじゅんなま
やっと魔導書まで手に入れた、ヘタレ主人公。
優樹まであと少しなので、♥と★をお願いいたします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます