美少女フィギュア好きが、ダンジョンで、ゴーレムマスターになったら。
蒼のじゅんなま
第1話 本編からチョットだけ未来の話 その1
初めまして、蒼のじゅんなまです。
まず、他の読者様より
「説明がない。」
「人間関係が解らない。」
等のご意見を多数頂きましたので、初めに補足させていただきます。
第一話は題名の通り、本編よりちょっとだけ未来を書いた
「俺はダンジョンで、アニメのフィギュア(ゴーレム)と共にドタバタアクション! 今回の映像も最高にバズるぜ!」
的な、作品の雰囲気を知って頂くための、一話完結の外伝だと考えて頂ければ嬉しいです。
世界設定、人間関係、性格、なぜフィギュアでゴーレムなのか? 等の説明は第二話目から始めますので、引き続きお読み頂ければ更に嬉しいです。
毎週土曜朝9時に更新しております。
初めての素人投稿ですが、読んで笑ってくれたら最高です。
…あと出来ましたら★と♥もお願いいたします。
ーーーーーーーーーーー
俺「本当にあったんだ。」
長い長い[ 背向け地蔵 ダンジョン ]の通路。
その通路の真ん中あたりに、今までずっとここにありましたと、主張しまくっていように、横穴(シークレット エリア)がドーンとそこにあった。
何となくその横穴を見ていると、後ろから腐れ縁のヲタクの悪友[ カトやん ]が近づいてきた。
カトやん「デュフフフ、僕もレベルが上がってスキル(マップ エディト)が増えて、色々出来るようになったんですよ。
前からこの辺りがおかしいなーと思っていたんですが、まーなんですか? サプライズのようなものですか。」
サプライズならアニメのように俺の美少女戦士達が5人揃った時にしろよ、まだ3人しかそろってねーよ。
それより今回の助っ人で来てくれた[ ハカセ ]と[ アッパー ]さんに感謝しておこう。
俺「スミマセン皆さん、もうかなり下の階層まで行ってるのにこっちに来ていただいて。」
ハカセ「それこそ今回は僕のスキル(鑑定眼)が必要でしょう。
いや〜シークレット エリアなんて初めてですよ、何が出て来るのか楽しみだなー。」
キラッと光った眼鏡を中指で位置を直しながら楽しげに話すハカセ、その医者が着る白衣と眼鏡はマジック アイテムなんですか?
アッパー「ファースト アタック ボーナスに撃破ボーナスが付けば、絶対ぇー出る宝箱はレア以上じゃん! アッチ休んだってコッチ来るじゃんよー。」
黒いレザー スーツ、肩に棘々付きのプロテクター、ヘルメットには赤いモヒカン鶏冠、顎ガードに赤いシャーク マウスのペイント。
見た目も中身も「ヒャッハー!」な人は、今日もテンション高目であった。
俺は左手に持つ魔導書[ 祖は左の手に ]A4サイズ厚さ約10センチ、飴色のレザー カバーに真鍮の補強と鍵が付いた、いかにも呪われた魔導書という感じの本、重さはほとんど感じないがこれで殴られたらかなり痛そうな本を持ち直した。
ふと右に視線を感じ、そこに居るであろう俺の相棒[ 美少女ゴーレ厶 ]に目を向けた。
この美少女の名は、天川 優樹 (あまかわ ゆうき)
少女漫画原作、美少女アニメ[ 異世界幻想伝 フレイリアーナ ]の主人公、現代日本から召喚された中学三年生の美少女。
呼び名は[ 純白の勇者 ]。
その美少女アクション フィギュア(身長38センチ)が、片膝を付いた状態で俺の右肩にちょこん、と乗っていた。
ゆれる黒髪ロングをボニー テールにして、中学校の藍色のブレザーに、左肩、左胸、左腰、左手、額、両足に純白の翼のデザインをされたアーマー(通称 ブロンズ クロス)を着て、腰にはこれまた翼の形をした鍔、直刀両刃両手剣 [ 聖剣トライフィード ]を挿し、強い意志を感じさせる2つの黒い瞳が俺を見つめていた。
優樹「うん! 行こう将悟君!」
「お、おう。」思わずその元気で響き渡る、アニメそのものズバリな声で、俺は気遅れしつつも何とか答える事ができた。
両手で[ 聖剣トライフィード ]を持つと、剣の鍔と左手のアーマーで翼が広がったデザインになるのがキレイでカッコいいんだよなー、今日もメイン アタッカーとして頑張ってくれ!
???「私もまだまだ全然、暴れ足りませんわ!」
そんな事を思っていると今度は左から凛とした、しかし良く通る声が聞こえた。
彼女の名は、クラリッサ メルべーレン フレイリアーナ
フレイリアーナ王国第一王女、コバルト ブルーのブレスト プレート、広がったスカート アーマー、右手にはでっかいメイス。
左手には先代勇者に付き従い、共に戦い寄り添い支えあった聖女[ エレナ ]の横顔がレリーフされたカイト シールド。
綺麗な金髪を頭の後ろでまとめ上げ、ボーイッシュな喋り方や仕草ではあるが、どことなく上品な感じがするアニメそのもの美少女アクション フィギュア(身長39センチ)。
そしておれの二番目の相棒[ 美少女ゴーレム ]でもある。
アニメの主人公[ 純白の勇者 天川 優樹 ]と共に戦うパワー タンク係、聖魔法を使いディフェンスの要として戦ってくれる[ 聖騎士 ]であり大切な仲間だ。
アニメと同じく戦闘では前に出て敵からの攻撃全てをガードしようとするので、出来るだけ傷ついてほしくない、イヤ、傷つかないでくれ。
???「ワッフ ワッフ。」
頭の上から周りを警戒していてくれた三番目の相棒[ 美少女ゴーレム ]から声が聴こえた。
この狼少女は、フォン リベリア
月狼族の巫女[ 月狼姫 ]として、純白の勇者の元に集った小麦色の狼耳少女(身長37センチ)。
争い事が苦手で甘いものが好きな、物静かな美少女。
まだアニメのように美少女戦士達が5人揃って無いので、今はフォンに警戒、索敵など頑張ってもらっている。
戦闘では背中に括り付けたでっかい[ 竜骨ブーメラン ]の投擲で中~遠距離をカバー。
アーチャーやマジック ユーザー潰しで頑張っているので、後で大好きな甘い物をプレゼントしよう。
フォン「先に、敵いる!」
いきなりの声にチットびっくりしたが、とりあえず頭を戦闘モードに切り替えよう。
アッパーさんは両腰からゴツいトンファーを取り出し腰を落とした。
ハカセは眼鏡を直しながらシールドの魔法を唱えた。
カトやんは背中に背負ったバッグから、デジカメを2台、スマホとスピーカーと照明を取り出してセッティングを始めた。
カトやん何回見てもお前、やる事何か間違ってねーか?
真っ直ぐ5メートルも行かずに両開きの扉があった。
俺「じゃあ、いつものフォーメーションで。」
返事は無い、このメンバーなら全員すべき事は決まっている。
オフェンスであるアッパーさんが扉を蹴り開け中にすべり込んだ。
ハカセ、俺の順番で入り、カトやんは扉が閉まって閉じ込められない様に身体半分いつでも逃げられる様に退路を確保した。
ハカセ「鑑定…出ました! 数1、パラライズ ヴァイパー、レベル4、牙にパラライズ攻撃、尻尾にノックバック攻撃、ステータス ダウンのブレスあり、HPは低めなので我々の戦力で行けそうです。
ブレスを喰らうとやっかいなので短期決戦で仕留めましょう!」
3メートル位の紫色の蛇がトグロを巻いて此方を静かに見つめている。
視界の端でメタボな男が、素早くライトを取り付け、スマホにスピーカーを繋ぎ、デジカメを此方に向けて親指を上げた。
俺「行け! 我が魂たる戦士達よ、今こそ其の力を示せ!」
左手に持った魔導書[ 祖は左の手に ]を胸の前に掲げ、右手で敵を指差した。
その瞬間、両肩と頭から俺の相棒たち[ 美少女ゴーレム ]が矢の様に飛び出して紫蛇の前に綺麗に着地した。
「「「我ら! フレイリアーナ騎士団!」」」
スピーカーから流れるアニメのオープニング テーマ曲[ 未来を君と! ]に合わせ3人は華々しく名乗りを上げ、華麗にカッコよくポーズを決めた。
素晴らしい! アニメそのものだ! 早くレベル上げてアニメのように5人揃えよう。
紫蛇「シャーッ!」
紫蛇の一鳴きで戦闘が始まった。
3メートル位の蛇ではあるが、38センチのフィギュアから観れば立派な大蛇だ。
此処は周りを囲んで空きを狙いつつ必殺で、クリティカルな攻撃を…
3人は真正面から全力で紫蛇に突っ込んで行った。
うん、そんなお前達が俺は大好きだ! やっぱり主人公の戦い方は正面からの突撃だ。
クラリッサが[ エレナの聖盾 ]でディフェンスし、フォンが[ 竜骨ブーメラン ]で牽制しながら、優樹が[ 聖剣トライフィード ]でガッチリとダメージを与える、コンビネーションはバッチリだ。
曲のイントロが終わると同時に、我々も誰も何も言わず戦闘フォーメーションを組んだ。
アッパー「行っくぜー!「「ハーイ!ハーイ!ハイハイハイハイ!オーハイ!オーハイ!」」」
アッパーさんの、上に突き上げたトンファーが青く光っていた[ クラリッサ ]推しだ!
カトやんも左手デジカメ、右手には黄色に光る何かの棒が高々と、此方は[ フォン ]推しだ!
いつの間にか俺も右手に白く光る物体を振り回していた、もちろん[ 優樹 ]推しだ! この胸にある萌る気持ちは誰にも負けぬ!
隣を見れば、ハカセから否定的な目つき(僕は混ざりませんよ)で見られている。
我々の行動はアイドル コンサートのノリではあるが、これは立派な戦術だ!
俺のゴーレム達をアッパーさんのスキル[ ステータス アッパー ]で能力を底上げし、カトやんが音楽で戦闘のテンポを創り、デジカメで録画した映像を[ チューバーズ UP ]に流す。
そして入ってきた印税の一部を次のフィギュア代にプールする。
ダンジョンでジェムやアイテムを手に入れ映像収入が見込めるこれぞ一石二鳥の…
優樹「うわっ!」
優勢に戦っていた3人だったが、優樹が敵の尻尾攻撃[ ノック バック ]を喰らって弾き飛ばされた! ダメージは無さそうだが3人の陣形は崩された! ゴメン自分に酔っていた。
紫蛇「フシュゥーーー!」
そのスキを逃さず敵は何かの溜めに入った。
ハカセ「ブレスが来ます! 全員ガードを!」
ステータス ダウン ブレスか? コッチまで来るか? ならばメタボ男を盾にして…
クラリッサ「させませんわ! 皆さん下がって! 我らを守れエレナの聖盾ェーー!」
大地にどっかと両足で立ち塞がり、突き出した盾からピンク色の光の波が溢れ出た、それは盾の3倍位の大きさを展開してる、いつ見てもカッコ良いビーム シールドだ。
紫蛇「ブシャッーーー!」
如何にも体に悪そうな灰色のブレスだ、何となく聖女[ エレナ ]の横顔が嫌がってるように目えるのは、多分気のせいだろう。
ウッ!… クラリッサのスキル[ エレナの聖盾 ]が俺から魔力を奪って行く。
体から色々吸出される感覚で辛い、クラリッサは賢明に耐えているが俺の方が耐えられるか? 体がキツイ! 魔力が保たない! もうダメ…か?
アッパー「うおぉぉらァーー! スキル ブーストォォォーー! 行っけぇーー!」
隣から魂の絶叫が聴こえた。
ごめん、俺より魔力を搾り出してる奴が隣にいたわ、泣き言を言わずに頑張ります!
クラリッサ「今です! フォン!」
フォン「ワッフッ!」
バゴッ!!
フォンがブレスの途切れた紫蛇を竜骨ブーメランで、横から思いっきりぶん殴った! 紫蛇は頭がグラグラしている。
クリティカル ヒットが決まった! 敵はピョっているピョっている!
ハカセ「敵はスタン、行けます。」
優樹「よ〜し! 決めるよぉぉ!」
クラリッサ「決めて優樹!」
フォン「ワッフ! ワッフ!」
優樹が一度紫蛇からジャンプして俺の右肩に乗り、剣を両手に持ち直して必殺技の体制に入った。
行け! 今こそクライマックスだ! 俺たちも曲に合わせてクライマックスだ!
俺達「「「い〜く〜よ〜! イッチ! ニイ! サン! シイ! GOォーーー!」」」
行け! 行け! 行け! 俺達は力の限り応援するぞ! 俺にとってヒーローは優樹お前だぁ! ヒロインは…? ヒロイン……ヒロインもお前だぁ!
優樹「行くよ! フェニックス シュート!!」
真っ直ぐ紫蛇に伸ばした俺の右腕の上をカタパルト代わりにダッシュする優樹、突き出した剣から全身へ! 光る風を纏い敵に一直線に! 紫蛇の眉間に! 一本の光りの矢となって突っ込む優樹!
アニメを見て何度も、魔力が尽きるまで、二人で倒れるまで練習したスキル!
行け! お前なら行ける!
俺「俺の残りの魔力! 全部持ってけーー!」
アッパー「スキル ブーストォーー! 持ってけーー!」
カトやん「僕も持ってけー!」
エッ? カトやんお前の何を持って行けと? 体脂肪か? そんなモンいらんぞ。
紫蛇「キッシャーー!」
眉間を貫かれた紫蛇は最後の咆哮と共に倒れた、そして白く光った瞬間、魔力の粒子となって弾け飛び部屋中に降り注いだ。
俺達全員ハイタッチで喜び合った。
アッパー「よっしゃーーー!」
ハカセ「やりましたね。」
カトやん「デュフフフ、いやー萌ましたねー。」
俺も何か言おうと思った瞬間、綺麗に地面に舞い降りた優樹と目が合った。
光の粒子が部屋一杯に舞っている、エリア ボス撃破特有の演出だ。
その粒子が優樹に降り注ぐ、最高にカッコよく最高のフィナーレだ。
( やったよ。 )
( やったな。 )
言葉にはしていない、でも俺達の思いは、十分お互いに通じたはずだ。
そして戦いは終わった。
お疲れさま優樹、そしてクラリッサ、フォン、皆もお疲れ。
本当に熱く萌える戦いであった、スキル[ クリエイト ゴーレム ]を選んだ昔の自分を褒めてやりたい。
過去の俺よ、チョットだけ未来の俺はダンジョンをエンジョイしているぞ。
さて、ボーナス タイムだ! 光の粒子が集まり出し形を創り出し1メートル四方の茶色の木の宝箱[ ノーマル ]が出現した。
まだだ、まだ行け! まだ終わらんヨ! 光の粒子がさらに集まり箱が銀色に輝きだした。
良し! グッドだ[ レア ]になった! でもあともうちょっと! もう一声!
また光の粒子が集まりだした! 行った! 行ったぞ! これは行ったぞ!
宝箱は、金色の輝きを放ちながらドスン! と落ちてきた[ スーパーレア ]ゲットだぜ!
俺達「「「ヨッシャー!!!」」」
歓喜のガッツ ポーズだ! だがすぐ開ける事はしない、鍵、爆発、ミミック、毒針、テレポート、ダンジョンは気を抜いたら死ぬ、まずはハカセに鑑定してもらおう。
ハカセ「鑑定…でました、鍵なし、罠なし、開けても…」
アップーさん「ウッシャァ~! ヒャッハー!」
ハカセの説明が終わる前に、アッパーさんが宝箱をこじ開けた、早いって。
宝箱から、金色の粒子が飛び出し俺達を包み、俺の左手にある魔導書[ 租は左の手に ]に入ってきた。
各々、右手や眼鏡に入っていく、だが気は抜かない、お宝アイテムを調べるのは家に帰ってただいまを言ってからだ。
カトやん「デュフフフ、いや〜今回はかなり良い映像がとれました、帰ったらすぐ編集しますヨ、それにしても、萌る戦いでしたね〜。」
眼鏡まで真っ白にするほどの大汗をタオルでゴシゴシ拭きながら、暑苦しいほど身体中で放熱中の脂肪男がホクホク顔で、話かけてきた。
お前さん、戦闘では何もしてないだろう。
カトやん「デュフフフ、皆さん良い感じで萌ましたね、僕のスキル(マップ エディット)でテレポート ポータル開きますんで、入り口まで飛びましょうヨ。」
ゴメン! カトやん君は有能で、すげー使える奴だった。
心なしか痩せて、顔がシャープでハンサムになったような気がするぞ。
戦いを終えた3人の仲間が俺の頭上両肩に飛び乗って来る、さて帰ろう。
???「プッ! クスッ! あはははははっ!」
誰だ? 周り注意を向ける、誰かが俺達、いや俺を見ている。
俺以外、他の誰もフォンですら気が付いていない。
最初にダンジョンに入った時に聞いた声、少女のような少年のような声。
そんな何者かが何処からか確かに俺を観ている。
俺「うん、聞かなかった事にしよう。」
深淵を覗く者は、また深淵より覗かれる。
そんな言葉が頭を過ぎったが、覗く気なぞ全く有りません。
最強無双など目指しません、他の誰かが成って下さい。
そーゆーのは、もっと下の階層に行っている冒険者に任せよう、今は、さっきのゲット アイテムだ、俺はカトやんが開いたタウン ポータルに飛び込んだ。
今日は色々新しい事が見つかって、良いダンジョン日和だった。
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