第9話 (第11話)
彼女はCランクになると、スラムを出て宿屋暮らしを始めた。彼女の稼ぎはある程度の貯金ができるほどになった。
スラムを出てからはスラムに近づくこともなくなった。しかし、スラムには生活を手助けしてくれたE、F、Gランクの先輩冒険者がいた。その冒険者たちは
「感謝なんていらねぇよ。一人でもスラムから出て行ってくれればうれしいからよぉ」
と、彼女がCランクに昇級し、スラムから出るタイミングで言ったのだった。
彼女は彼らに恩を感じていた。そのため、今回の出来事は許せることではなかったため、討伐隊に名乗りをあげた。そして、彼らを助けたいと思っていた。
ココ以外の冒険者の中にもスラムに対して何らかの思いを抱いている者がいる。彼らはFランクの際に効率的な稼ぎ方を教えてもらったり、採集の方法を教えてもらったりと、スラムの冒険者に教えてもらった過去があるからだ。彼らはスラムの冒険者が居なければCランクになれていない者もいた。今、生きていない者もいた。冒険者として活動できていない者もいた。
そんな彼らは各々の思いを胸に、暴徒と化した冒険者を討伐するためにスラムへと向かっていった。
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