第17話・天使の笑顔で


月日が経ち

あれから3年後

俺は見覚えのある2人を見つけた


「よう!可奈ちゃん!」


3年後の可奈ちゃんはすごくキレイで大人っぽくなっていた

いいじゃないかこのプロポーション映るわー

なんて考えてると


「いや、俺は!?俺無視なの?」


可奈ちゃんと葉月を見つける中で可奈ちゃんにだけ挨拶をした


「涼真君久しぶりー」


「元気だったか?」


「おかげさまでね」


可奈ちゃんと話してると


「おいおい!涼真!

俺を無視すんな!久しぶりだろ!?」


葉月はこれでもかというくらいに顔を近づけてきた

あーあーうるせぇ


「はいはい、久しぶりだね」


適当に返事すると


「まじMK5だわ」


「なんだそれ?」


「MまたK今度5五反田で会おう」


「意味がわかんねーわ!」


相変わらず葉月は面白かった

なんか安心するなー


今、俺は一流大学に無事合格出来た

まもりも受けてたけどあいつは余裕で合格していた

まあまもりと同じ大学だとかなりハードル高かったけどなんとかいけました

可奈ちゃんはお菓子の専門学校に行ってるみたいだ

資格も持ってて来年には卒業するらしい

すげー女子力高くなってびっくりだわ

葉月も今美容師の専門学校に通っている

親も美容師なのでバイトで経験を積んでそのまま継ぐことになるらしい

あいつも意外と人生設計うまくやってたんだな


今は3人でいる

もちろんみんなとは高校卒業後もちょくちょく会ったりしていた

でも会うのは半年ぶりくらいだからな


まもりは後から来るみたいだ

3人は少し歩いた公園に行ってベンチに座る


「なんか俺らもう20歳なんだな

考えらんねーわ」


葉月が空を見ながら言った


「ほんとだよねーもう大人の仲間入りなんて

まだまだ子供でいたかったなー」


可奈ちゃんも大人になる現実を味わうかのように空を見上げた

空を見ると何となく暖かくなる


「まゆ、俺らの会話聞いてるのかな?」


俺が言うと


「きっと聞いてるよ」


可奈ちゃんが笑顔で答えた

うん、そうだよな

俺は今でもまゆが好きだ

きっとそれはこの先も変わることはないと思う

まゆとの思い出は絶対に消えることは無い


すると


「ごめーん!お待たせー!」


まもりが来た


「おせーぞ!」


俺がまもりに厳しく言うと


「ごめんってば

お詫びにクッキー買ってきた」


と言ってまもりはみんなにクッキーを配った


「さっすが幼馴染!

出来る女は違うねー」


葉月がからかうようにまもりに言う


「せっかく持ってきてくれたんだからからかわないの」


可奈ちゃんがまた葉月に注意する

あーほんとに、懐かしい

高校の頃からあんま変わんないんだな


「んじゃあ行きますか」


葉月の車に乗って移動する


「へぇー可奈の作るケーキ食べてみたいな」


まもりが興味津々に可奈ちゃんのお菓子話を聞いている

高校3年生になってからさらに仲良くなったらしい

まあ女同士だしなんせ可奈ちゃんいい子だしな


「おい、幼馴染!お前がケーキ食ったら重さでこの車パンクするからやめろ!」


葉月が冗談交じりでまもりに言う


「ちょっと!聞き捨てならないんだけど!」


葉月もまもりにこんな冗談を言うようになった

まもりも大人になったのか多少馬鹿にされても怒らなくなっていた

人は変わるもんだな


10分後

俺らはあるところに着く

いっぱいお墓が並んでる中で

案内されたお墓に書かれているのは

『花沢まゆ』と書かれているお墓だった

お線香をたてて目を瞑る4人

すると自然と頭の中でまゆの笑顔が出てくる

これが俺らの心の中でまゆが生きている証だ


「まゆ、誕生日おめでとう」


俺はお墓に水をかけながら言った

今日はまゆの20歳の誕生日だ

やはりたまにまゆを思い出して寂しくなることもあるけど

そんな時こそまゆの笑顔を思い出してまゆに励まされていた


「はい、PZあ、ごめんなさい

プレゼント」


「お前もう何も置くなバカタレ」


葉月の手を止めると


「おいおい、また俺が可愛いやつ持ってくると思って嫉妬してるな?

可愛い奴め」


「さ、触んな!きしょくわりー!」


(あははっ)


「ん?」


「どうした?涼君」


「いや、なんでもない」


まゆが居た気がしたけど気のせいかな

でもやっぱバカやってる俺らを見守ってくれてるんだろうな

いつでもどこでもあの笑顔で


まゆの笑顔が俺らに元気をくれたから

いつもそばで笑ってくれていたから

今でも心の中にまゆがいる

まゆと過ごした1分1秒が

俺の大切な宝物だ

まゆはいなくなったけど

俺らが笑顔になれば

まゆはきっとどこかで見ている

またあの声で……あの笑顔で……


End……

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