いきとしイケるものへ

バブみ道日丿宮組

お題:混沌の狂気 制限時間:15分

いきとしイケるものへ

 愛してるというのは恋してる。

 乙女が一番輝く時で、少年が少女の後を追うかのように性に目覚める時でもある。

「……ん」

 薄暗い部屋の中で、少女はぼーと一面を見つめてた。

 壁、赤い文字で、中には誰もいないと書かれてる。

 その壁の前にあるのは棚。

 陳列してるのは、身体の一部だと思われるもの。

 陰部、胸、目玉、鼻、口、耳、指。

 内蔵は置いてない。

 陰部は内臓という医者もいるが、ここでは内蔵ではないとする。

 これらは元は一人の人間のものだった。少年の子どもを妊娠したと言ってた娘のものだ。

 解体してみれば、その変化はなかった。

 子宮の中には誰もいない。

 だからこそ、少女は壁に娘の血で中には誰もいないと記した。

 切り離された身体からは、未だに体液がこぼれ落ちてる。

 元は人間であった死体は床に乱暴に転がってる。

 掃除をしようかと迷い、少女は執事を呼ぶことにした。

「……私。今すぐきて」

 くんくんと自分の匂いを嗅ぐ。

 返り血を浴びた洋服は赤く、皮膚も若干生臭かった。

 数人の執事が入ってくると、一瞬驚いた後に、少女の命令を待った。

「掃除しておいて、あとお風呂に入る」

 かしこまりました。

 数人の執事が分担をし、少女をお風呂に入れる係、死体を捨てる係とわかれた。

 少女はこちらへといった執事の後をついていきながら、お風呂に入れてもらった。

 部屋に戻ると、死体はなくなってた。

 壁に書いた文字もキレイに消えてた。

「どこに捨てるの?」

 執事に尋ねる。

 細かくして、家畜に食わせると返答が来た。

 手慣れてるものだった。

「眠る」

 少女はベッドに入り、目を閉じて忘れる。

 過去は過去、今は今。そして未来は未来。

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いきとしイケるものへ バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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