五節「ロウラス戦線 機械化魔獣戦」
俺達が構えると機械化魔獣は目を光らせ、背中に武装してある弐丁のガトリングを一斉射撃を行ってきたのだ。俺は粒子纏いを行い、久崎は風を起こしながら鎌を回す。
刀である俺は粒子纏いを行いながら弾丸を斬ることが限界だったが久崎は前方に進みながら機械化魔獣の足を破壊する。するとガトリングの一斉射撃が一時的だが止まり隙が生まれたため全速力で走って跳躍し、背中のガトリングを弐丁とも破壊する。
すると、機械化魔獣が暴れだして驚いてしまい吹っ飛ばされたしまったのだ。壁にぶつかって瓦礫に埋もれてしまった。
「鏡夜先輩!大丈夫ですか!?」
久崎の声が聞こえたが壁にぶつかった衝撃で意識が遠のいてしまったのだ。
暖かく、懐かしい声がする。
『鏡夜。お前にはこの刀をやろう。これはな、父さんの一族が100年以上かけて作った最強の武具だ。どんだけ切っても刃こぼれがしないし、折れないんだ。凄いだろ?』
優しく、悲しくなる声がする。
『この鞘はね。今はあげられないけど、鏡夜にとって必ず必要になる物だから。ちゃんと十年後に取りに来るのよ?』
桜が広がる景色の中で二人の人が俺から離れて手を振る。それを追いかけようとしたが、動けなかった。
景色は暗闇に変わり背後から少女の声がする。
『ねぇ、鏡夜。貴方は悪くないわ。記憶を徐々に思い出しているからどうせ自分が悪いとか考えているのでしょう?でも大丈夫。貴方はみんなを蘇らせた。そして、誰も傷ついていないわ。ずっとずっと貴方の中で見てたもの。優しい優しい鏡夜お兄ちゃん』
少女は俺からも離れて行く。
━━━━━━━その頃━━━━━━━━━━
機械化魔獣の動きが変わり、直接突進するようになっていしまっていた。
「このままじゃ、鏡夜先輩が!」
久々に出会った先輩はあの時のように優しく、私のことを思い出しているように感じたのだ。またあの時のように鬼神になるの不安になってしまったのだ。
「ダメ、今はこれをどうにかしないと!」
黒風を全力で発動させ、自分の身を削る。
「りゅ、粒子結界、発動!荒キ風ノ谷!」
その言葉とともに黒風が機械化魔獣と自分を囲い黒い竜巻が吹き荒れる荒れた土地へと変貌を遂げた。
「機械を破壊するなら、全力でやらないといけませんもんね・・・」
過去に先輩が言っていた言葉でもある言葉を復唱する。
「ぶっつぶれろ!ガラクタが!」
黒風を纏い身体強化を行う。竜の鎧が無い為、直接体に負荷がかかるが街の為ならと思い全力で機械化魔獣に突進をする。機械化魔獣は角を使って突進しようとしていたが、私は鎌でその角を破壊する。
「鏡夜先輩のお陰で戦いやすい!」
装甲を破壊しコアをむき出しにさせる。そして私はそのコアめがけて全力で攻撃をし破壊したのだった。機械化魔獣はコアを破壊されたこちにより機能停止して戦いは終わったのだと思い、粒子結界を解いたのだ。すると戦闘が終わったことで安心で気が抜けて意識が途絶えてしまった。
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『鏡夜も風神もうまくやったのだな』
そう言って桜を散らすゼロ。瓦礫に埋まった鏡夜を引っ張り出し、呼吸を確認する。
『生きているな。けど、片足が完全に粉砕しているな・・・今の状態は困るぞ』
そういって首飾りから水を出しながら、弓を出現させた。弓を構えて、鏡夜に水をたらして体の治療を開始する。
『それにしてもカスミが動いていたのは想定外だったな。やつは本当に人類史を無かった事にする気なのか?』
そうつぶやき、鏡夜の治療を終えたとたんその場から離れてしまったのだった。
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「・・・神様!風・・・!風神様・・・!」
私は、自分の国の兵士の声で目を覚ました。
「あ、れ?私・・・気絶していた・・・?」
「はい、機械化魔物や機械化魔獣の動きが突然止まってしまって。風神様が戦闘していた所に駆け付けたのです」
兵士の話を聞いているうちにあることを思い出して兵士に聞いたのだ。
「鏡夜先輩は!?鏡夜先輩は生きてるのですか!?」
「ふ、風神様!?キョウヤという男はもしかしてこの人ですか?」
兵士が指を指した先には体が傷だらけの鏡夜先輩が倒れたいたのだ。
「よかった・・・彼を死なせないでください。これは命令ですよ?」
その言葉を聞いた複数人の兵士は驚いて顔をして
「はい!わかりました!」
と言って慌てて医療班のもとへ走っていったのだ。そうして鏡夜先輩の顔を見る。
「今ここで殺せば、鏡夜先輩が鬼神にならずに済むのかな・・・?でも、私には先輩を殺すことはできないかな・・・だって、昔から私の憧れの先輩だったから」
私は自分の武具を彼の手に触れさせて、首飾りの風の宝石を光らせたのだった。
to be continued…
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