14話 義母も病んでる
緊急事態である。私の家に義母……渋谷ママコ氏がやってきたのだ。息子に会いに来た。それ自体は別に言い。問題は……。
「あらぁ……ちゃーちゃん……。あらあら、ナジミちゃんも……あらぁ……」
「ご、ご
私の隣にはナジミがいる。私の腕をがっしりホールドして体を預けているような状態だ。
ママコ氏が私とナジミを、何度も見比べる。
「随分と……仲がいいわねぇ……♡ ふたりとも……」
「ええ、叔母さん。あたしとチャラオ……付き合うことになったので」
「…………」
こ、ここでご母堂こと、渋谷ママコ氏について軽く説明しようと思う。
渋谷ママコ氏。御年29歳。背は高く、ウェーブのきいた茶髪。そして人の顔ほど大きな胸に、くびれた腰、すらりとした足と、むっちりとしたお尻が大人の色気を醸し出す。これで二児の母なのだから驚かされる。
職業は高校教師。我らの通う学校の教師なのだ。去年はナジミ、私、ミナトの担任教師をしていた。
俺なじに置いて、ママコ氏はおっとりお母さんキャラだ。その大きな胸と性格から、とても男子生徒たちに人気がある。その大いなる母性をもって主人公を包み込み、甘やかす……。というキャラだった。
ちなみに。ママコ氏はマイとアーネ、という二人の子供を、なんと中学生の時に生んでいる。13歳の時にアーネを、14歳の時にマイを生んでいるのだ。無理がありすぎる……という突っ込みはごもっとも。しかしさすがに三十路ヒロインは無理だと開発者がぼやいており、そういう設定にしたそうだ。
「ちゃーちゃん……♡」
「な、なんでしょうご母堂……」
うふ、とママコ氏は微笑む。そ、そういえばミナトの主人公補正が斬れてから、ママコ氏と合うのはこれで初めてな気がする……。どういうリアクションを取るのだろう。
「あらあら、駄目じゃないの。ナジミちゃんと付き合うことになったのなら、お母さんに教えてくれないと……♡」
「あ、ああ……すみません。報告が遅れて」
ニコニコと微笑みながらも、注意してくるママコ氏。どことなく圧を感じる。
「ふふ、いいのよ。別にちゃーちゃんを責めてるわけじゃないから♡ でも……ちゃあんとお母さんに報告しないとね。お母さんはあなたの保護者なんだから、全部把握しとかないとだし……ね♡」
ママコ氏は少々、愛が深い設定だ。娘(マイとアーネ)と息子(私)を過保護に接してくるのである。
「あ、おばさん……」
「ちゃーちゃん。早く学校に行きなさい♡ お母さん、ちょっとちゃーちゃんのお部屋に忘れ物したみたいなの」
ママコ氏は私がここに引っ越すときに、色々手伝って貰った。確かに荷物が置いてあった気がする。
「探すの手伝いますぞ、ご母堂」
「あら~♡ ありがとぉ。でも大丈夫、ほら、遅刻しちゃうわ♡ いってらっしゃい、ちゃーちゃん♡」
「う、うむ……」
なんだろうか、はよいけという圧を感じたのである。逆らわないほうがいい。怒ると結構怖いのだこの人……。
「で、ではいってまいります、ご母堂」
「あ、おばさんいって」
「いってらっしゃーい♡ ちゃーちゃん♡」
ママコ氏が私に手を振る。ナジミが微妙な顔をしていた。なんだ?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
★ママコ視点
ちゃーちゃんを送り出したあと……私はあの子の部屋の中にやってくる。
「あらあら……しょうがない子……」
私は部屋の中……ベッド付近の電源カバーを外す。中に入ってる……盗聴器をセッティングし治す。
次に部屋の片隅においてあるぬいぐるみの位置を直す。目玉には、よく見ないとわからない……盗聴カメラが仕掛けてあった。
「……ぬかったわ。まさか、一夜のうちに関係を結ぶなんて」
私は渋谷ママコ。29歳。二児の母、そして……ちゃーちゃんのお母さん。元々はお隣さんだったちゃーちゃん。だが隣に住んでいた彼の両親が死んでしまい、引き取ることになった。
ちゃーちゃん、大好き。両親を失い、途方に暮れる彼を守らないと。若い頃の私は彼の母となるべく頑張った。でも……日に日にたくましくなるちゃーちゃんに、女として惚れていく自分がいた。
一度……私が家に居るとき、強盗が襲ってきたことがある。そのときちゃーちゃんが助けてくれたのだ。あのとき……私は明確に、ちゃーちゃんを息子以上の存在と認識した。
……なのに。
なのに私は愚かにも、別の男に惚れてしまった。去年、あの男に……一時的に惚れてしまっていた。
気の迷いとしかいいようがない。大好き、愛してるちゃーちゃんに、冷たく接してしまったことを……心から後悔している。
私は謝罪した。魔法から解けたその瞬間、ちゃーちゃんに何度も泣いて土下座した。でも……彼はこんな私を許してくれた。好き……大好き……ちゃーちゃん……。
彼を一人暮らしさせようと思ったのは、その方が都合が良いと思ったからだ。家の中に居るとマイとアーネが邪魔してくる。だから、一人で暮らさせた方がいいかなと。あの子たちを出し抜けると……そう思ったのだが。
「まさか、こんな短期間に、泥棒猫が忍び込むなんて……」
大田ナジミ。愛するちゃーちゃんの幼なじみで、私の教え子だ。あの子も警戒していた。ちゃーちゃんからしたら、一番近くに居る異性なのだから。
あの男と付き合ったと聞いたとき、私はほっとした。最大の障害が消えたと思ったから。でも……昨日【聞いた】話しだと、どうやらあの男とは別れてしまったらしい。
「……そのままあの男と、付き合っていればいいものを」
さて……どうしてくれよう。あの女。どうやらちゃーちゃんの恋人になったつもりでいるらしい。……泥棒猫め。どう……ひねり潰して……あら、いけないわ。仮にもあの子は、教え子だからね。……まあ裏を返すのなら、あの子が教え子だからこそ、許してあげたところはある。
「今は……泳がせて起きましょうか。ちゃーちゃんもあんな尻の青い子供じゃ、満足できないだろうし……」
昨日の行為、ばっちり録画している。だって愛する息子の初めてのセックスですもの。彼のことはちゃんと、記録に残している。だって親ですものね。
でも……機能のナジミとちゃーちゃんとの行為は、はっきり言ってナジミのテクニックがまるでなってなかった。ちゃーちゃんに気持ちよくして貰うばかりで、彼を気持ちよくしようとしていなかった。
まったく、ダメダメ。
……その点、私はちゃーちゃんを満足してあげられる自信がある。この体と、母性で、ちゃーちゃんととろとろに、甘やかせてあげる。気持ちよくしてあげる。
「ああ……ちゃーちゃん……」
私はベッドシーツを剥ぐ。ここにあの女の匂いもすることに不快感を覚えながら、それでも彼の汗のにおいがする。
私はシーツにくるまれながら、自分のあそこをいじって慰める。下腹部が鳴いてる。彼の子種が欲しいと。
「だめよ……まだ……だめ。じっくりと……ちゃーちゃんが性にせっかく目覚めてくれたんですもの♡ じっくりゆっくり……私の体が、欲しくてたまらなくしてあげるんだから……♡」
私はここに居ない愛しい我が子との性行為を思いながら、何度も絶頂するのだった。
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